備後地域で愛される逸品を知る。

2023.02.03 2024/04/11

【鞆の浦らーめん】お土産におすすめ!鞆の浦のご当地ラーメン

観光名所・鞆の浦のご当地ラーメン「鞆の浦らーめん」

ご当地カレー、ご当地ラーメン、ご当地スイーツ。
観光を盛り上げるその土地オリジナルの食べ物は旅行には欠かせませんよね。
尾道に住む私にとっては尾道ラーメンはぜひお土産にも買って帰ってもらいたい一品です。
そんな観光を盛り上げてくれる食べ物たちですが、広島県福山市の人気観光名所「鞆の浦」に“鞆の浦らしさ”をぎっしり詰め込んだご当地ラーメンのお土産が今話題と聞いて取材に行ってきました!

その『鞆の浦らーめん』を販売されているのは明治19年から保命酒(ほうめいしゅ)や味醂(みりん)を作り続ける、鞆の浦を代表する醸造所「入江豊三郎本店」さんです。

なぜ保命酒や味醂を製造する会社がラーメンを販売することになったのか、そもそも保命酒とは何なのか、そしていったいどんな“鞆の浦らしさ”が詰まっているのか詳しくご紹介していきますね♪

入江豊三郎本店の外観写真
歴史を感じる佇まいのお店です
保命酒の瓶のアップ写真
看板商品の保命酒
琥珀色で綺麗なお酒ですね

潮待ちの港、鞆の浦名産「保命酒」を使ったラーメン

鞆の浦は福山市の南側、瀬戸内海沿岸に位置し、古くから潮待ちの港として栄え、日本で最初の国立公園に指定された瀬戸内海を代表する景勝地です。
江戸時代には北前船の寄港地としても栄え、醸造業が盛んだったこの地に漢方の知識が加わり、保命酒が誕生したそうです。その歴史はとても古く、現在全国的にも有名な養命酒の原型になったお酒ともいわれています。

港に停泊している沢山の船をバックに、常夜燈を写した写真
鞆の浦のシンボル
常夜燈(じょうやとう)

以前は多くあった鞆の浦名産の保命酒店も現在では4件まで減少。
その中で入江豊三郎本店さんは麹作りから醸造までのほとんどの工程を昔ながらの手作業でされている唯一のお店さんです。
保命酒はもち米を原料とした原酒に、各店オリジナル配合の和漢薬草を付け込んで熟成させた甘口のリキュール酒です。入江豊三郎本店さんでは香り豊かな16種類の薬草を配合し、冷え性の方、疲れやすい方などに愛用されています。

保名酒を醸造するための巨大なタンクが並んでいる様子の写真
明治の時代からここで保命酒や味醂が作られてきたんですね!

福山の人をはじめ、県内外多くの人の健康に一役買っている入江豊三郎本店さんの保命酒ですが、より多くの方に身近に感じてもらえるよう関連商品も数多く販売されています。
そんな中で約10年前、商品開発担当だった入江さんのご主人がラーメンが好きだったこともあり、保命酒を使ったラーメンの開発を福山の麺類製造業メーカーであるクラタ食品さんに提案したことで『鞆の浦らーめん』の物語がはじまります。

クラタ食品の男性の写真
クラタ食品の倉田さん
入江豊三郎本店の女性の写真
入江豊三郎本店の入江さん
ラーメン×保命酒の異色コラボがスタート!

鞆の浦の魅力が詰まったご当地ラーメン!「鞆の浦らーめん」

開発当初、鞆の浦にはご当地ラーメンはなく、近くにある醤油味の尾道ラーメンが圧倒的人気。せっかく保命酒が入ったラーメンを作るなら、尾道ラーメンに寄せず、より鞆の浦らしさを盛り込んだものにしよう!と企画されました。そこでまず目を付けたのが「鯛」

鞆の浦は潮の流れに乗って回遊する魚たちが集まる場所で、春になると産卵のために真鯛(マダイ)が多く戻ってきます。300年以上前から伝わる漁法「鯛しばり網」は福山市無形民俗文化財にも指定された珍しい漁で、現在ではこの伝統漁を守り楽しむため観光鯛漁が行われ、毎年多くの観光客が訪れます。

鯛しばり網が開催されている様子の写真
「鯛しばり網」は毎年5月に行われています

そんな鞆の浦を代表する鯛をイメージしたところ、鯛の美味しさを引き立てるのは醤油ベースではなくあっさりした「塩」がいい、となった入江さんとクラタ食品さん。
すると奇跡的なタイミングで鞆の浦に浮かぶ仙酔島で瀬戸内海の海水を使った100%の天然塩づくりを始められた塩工房さんが!
満潮時のみの海水を汲み上げ平釜でじっくり手間暇を惜しまず手作業で作られるこの「感謝の塩」は瀬戸内海のミネラルをたくさん含み旨味がたっぷり♡
鯛の美味しさを引き立てる最高の“鞆の浦らしい”食材との出会いでした。
この「感謝の塩」、「日本の塩100選」にも選ばれた逸品なんですよ♪

必然ともいわれるべきタイミングで出会った「保命酒」「鯛」「仙酔島の塩」。
これらの“鞆の浦ならでは”の食材を使い完成した『鞆の浦らーめん』
今でこそよく聞く“鯛塩ラーメン”ですが販売開始当時は珍しく、懸念される声も多かったそうです。しかしその美味しさからじわりじわりと少しずつ話題に。
2019年にパッケージをリニューアルし、「瀬戸内産の柚子」をプラスしたことで人気に拍車がかかりました。
現在では福山ブランドにも認定され、ふるさと納税の返礼品としても人気商品に
鞆の浦を代表する人気お土産商品へと成長されたんですよ♪

鞆の浦ラーメンが販売されている写真
目を引く鮮やかでおしゃれなパッケージ

お土産におすすめ!保命酒の旨味と鯛だしの味が香る一品

さてそれではここからは実際に食べながらご紹介していきますね。

まずはパッケージ。
鞆の浦の景色と鯛漁もデザインされていて鞆の浦らしさがしっかり感じられて、なにより鯛がすごく可愛いんです。
このパッケージだと思わず手に取りやすいですし、お土産にもこの可愛さは喜ばれますよね♪
1食入りなので職場や友人にも配りやすいのも嬉しいポイントです!

鞆の浦らーめんのパッケージと中身の麺、スープ、柚子パウダーを並べて撮った写真
中には生麺、スープ、柚子パウダーが入っています

ではいざ実食!
まずはゆず粉末を入れずに食べてみますね♪

蓮華でスープを一口…。
おぉ美味しい!!!!

正直食べるまでは「保命酒」「鯛」「塩」それぞれの主張がぶつかり合ってしまっているのでは!?と少し心配だったのですが、そんなことはありません。
保命酒が生み出す旨味と鯛の香りと味、そしてそれを引き立てる塩。このバランスがとっても絶妙なんです。保命酒と鯛と塩が手を取り合っているのが思い浮かぶような柔らかで優しい味のスープで本当に美味しい!!

麺はラーメンにしてはかなり細麺。食べてみると…。
鞆の浦がぎっしり詰まった濃厚なスープが良く絡んでめっちゃ美味しい!スープの旨味と麺の味が絡みあい美味しさ倍増!!
しかもこの麺、噛めば噛むほど甘みと旨味が出てくるんです。これには驚き!
実はこれ、クラタ食品さんの特製麺に保命酒が練り込まれているからなんです。

ラーメンを箸でつかんでいる様子の写真
練り込まれた保命酒が良い味だしてます…!

この奥深い甘みが広がるのもこのラーメンの最大の特徴!
この甘み、砂糖などではなく、もち米から作られる保命酒の甘みなんですよ。
保命酒がスープにも麺にも使われているため保命酒が持つ香り、旨味、甘みが隠し味になっていて奥行きを広げているんですね。

いや~美味しい。

鞆の浦そのものの味を堪能した後は「ゆず粉末」を入れてみます。
入れた瞬間ふわ~~~っと広がる柚子のいい香り♡
食べてみると高級感が一気にアップしたのが分かります。お上品な味!
一袋全部入れましたが、柚子の主張が強いわけでも、他の素材たちが負けるわけでもなく、お互い引き立てあっていることに驚きます。

この美味しさ、このクオリティ、家で食べられちゃっていいんですか!?っていうレベルで、数あるご当地ラーメンでも私史上No.1の美味しさです!

正直、高級料理店の〆のラーメンですって言われても遜色ありません。
そのレベルの美味しいラーメンがなんとご自宅で味わえちゃうんですよ!
美味しすぎてあっという間にスープも残さず完食してしまいました。

ラーメンにチャーシュー、カボス、水菜、ネギ、メンマ、糸唐辛子をトッピングした写真
好きなトッピングをのせれば美味しさマシマシ♪

旨味濃厚だけどあっさりしているので夏場にもオススメのラーメンです!
老若男女問わずみんなで楽しめる、鞆の浦がぎっしり詰まったご当地ラーメン。
現在、『鞆の浦らーめん』は通販サイト 楽天市場の他、公式ホームページ、入江豊三郎本店の直営店(本店、渡船場店、蔵店)、福山駅構内の「おみやげ街道」などでご購入いただけます。

鞆の浦土産におすすめなのはもちろん、ラーメンが好きな人はぜひ一度食べてみてください!
あなたのラーメンランキングが変わるかもしれませんよ♪

お店の紹介

有限会社 入江豊三郎本店
住所:〒720-0201 広島県福山市鞆町鞆534番地
電話番号:084-982-2013

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