「かわいい」が溢れる！カップケーキ専門店「LIRY CUPCAKE.」
「女性はいくつになっても、かわいいものに心が躍りますよね」。
色とりどりのカップケーキや、やわらかなパステルカラーが目を惹くアイシングクッキーなど、「かわいい」ものが溢れる店内でそう話すのは、「LIRY CUPCAKE.（リリーカップケーキ）」のオーナー、土屋里沙さん。
色々とお話をうかがいました！
2013年、JR福山駅から車で5分程度のところにオープンしたこのお店は、カップケーキの専門店。
併せて、今回紹介する『ケーキポップ』という名の、まるでロリポップキャンディーのような一口サイズのケーキが人気です。
住宅街の中、オレンジ色の看板が目を引くお店には、女性はもちろん、男性の常連客も訪れるとか。ホワイトデイともなれば、店外まで男性の行列ができるそうです。
幼い頃からお菓子作りが大好きで、気づけばこの道を選んでいたという土屋さんに、お店のこだわりや、ケーキポップのおいしさの秘密など詳しくお聞きしました。
20代半ばでカップケーキ専門店オープンを決意！
土屋さんは岡山県倉敷市のご出身。
ブライダル関係の仕事をしたいとここ福山市に移り、結婚式場で数々の幸せな光景を目にしてきたそうです。その後、転職先として選んだ職場も、結婚式の2次会会場として予約が絶えないカフェ。厨房担当だった土屋さんは、スイーツ作りを任されることも多かったとか。
「もともと興味がありましたので、シェフから手解きを受けることは多かったですね。ブライダル用の色鮮やかで見るからにハッピーなスイーツにいつも心奪われていました」
好きだからこそ、日に日に上達するスイーツ作りの腕前。20代半ばに差し掛かった頃、土屋さんは次第に、その後の進むべき道を考えるようになったと言います。
「このままカフェの一員として大好きなスイーツに関わっていくのも良かったんですが、自分の力で歩むのも一つの選択だと思ったんです。今考えると多少無謀にも思えますが、一気に独立に傾きました」
土屋さんのお母様曰く、小さな頃から思い立ったら即行動に移す性格だったそう。カフェを退職した土屋さんは、自らのお店作りに取りかかります。
「日本ではそこまで馴染みがないかもしれませんが、欧米のウェディングパーティーでは、ブッフェのスイーツとしてカップケーキがよく並びます。デコレーション次第で、色もデザインもバリエーション豊かに作ることができ、華やかさが増すんです」
手軽に食べられるというカジュアルさも気に入り、まずはお店の看板商品をカップケーキと決定。そしてオープンの場所には住宅街を選びます。
地元の人たちがふと足を止めて、気軽に入れるようなお店にしたいという想いから、あえて大通りからは少し離れた場所を選んだとか。もちろん、内装にもこだわります。カラフルなカップケーキが引き立つよう白を貴重とした壁紙をチョイスし、温かな光を放つペンダントライトも数ある候補の中から選び抜いたそうです。
夏限定カップケーキの可愛さに目が釘付けです
「お店を作る際、内装業者の方からは色々とダメ出しされたんですよ。でも、私の想いが詰まったお店にしたかったので、こだわりは貫き通しました。きっと、『小娘のくせに！』と思われていたでしょうね（笑）」
家族や友人の応援もあり、土屋さんはついに念願のカップケーキ専門店「リリーカップケーキ」をオープン。開店当初から、カップケーキと並びお店の看板スイーツだったのがケーキポップだったそうです。
一口サイズの「ケーキポップ」、作り方のこだわりとは？
その可愛らしさとおいしさはすぐに評判になり、連日お客様が絶えなかったと言います。しかも女性中心かと思いきや、スーツ姿の男性のお客様も。
そんな男性に人気なのがケーキポップ。見た目のかわいらしさと一口で食べられるサイズ感から、手土産に最適だと購入する方が多いそうです。
現在のラインアップは、ナッツチョコ、紅茶、抹茶、ストロベリー、ドライフルーツ、レモンの6種類。それに加え、バレンタインやハロウィン、クリスマスなどイベントごとに特別仕様のケーキポップが登場し、そのバリエーションを求め、度々足を運ぶ常連客もいると言います。
そして今回紹介するのが、『ケーキポップ レモン』。瀬戸内海で香り豊かに育ったレモンの皮を生地に練り込んだ爽やかな味わいは、性別や年齢問わず、多くのファンを惹きつけています。
コロンとしたフォルムが可愛いです
その『ケーキポップ レモン』、どのように作られているのでしょうか。
「ケーキポップの特徴は、しっとりとした食感と濃厚な味わいです。それを生み出すために、まずはカップケーキと同じ生地を焼き上げた後、フードプロセッサーでサラサラになるまで粉砕します。そこに、しっとり感の決め手となる北海道産のクリームチーズと、味のポイントとなるレモンの皮のすりおろしを加え、時間をかけてじっくり練り上げていくんです。その生地ができたら、一口サイズに丸めていきます」
一つひとつ手作業で成形していく作業は、暑さとの勝負だとか。そもそも、カップケーキの生地は、卵をしっかりと泡立てふっくらした食感を出すスポンジケーキとは違い、たっぷりのバターを撹拌（かくはん）し、外がサクッと、中がふわっとした口当たりに仕上げるもの。そのため、粉状になった生地にも暑さは厳禁。工房の温度管理をしながら、さらに土屋さんの手も常に冷やしながらの作業だと言います。
「バターや小麦粉、卵など、いくら選び抜いた国産の材料を作ったとしても、バターが溶け出してしまうと食感が悪くなってしまいます。作り上げていく工程ではいつも気が抜けません」
表面にコーティングされたチョコレートもまた、おいしさの決め手。スイーツ作りに最適なクーベルチュールチョコレートを長年の技術でテンパリングし、なめらかな口どけとツヤを生み出します。それを丁寧に丸めた生地にコーティングすれば完成です。
「かわいい！」。一つずつ手の込んだラッピングが施されたケーキポップを手に取ると、やはりこの言葉が出るものですね。
濃厚な味わいとレモンの爽やかさがマッチ！「ケーキポップ レモン」
さて、今回紹介する『ケーキポップ レモン』は、すりおろしたレモンの皮が練り込まれた生地に、ホワイトチョコレートがコーティングされ、さらにレモンピールがトッピングされています。持ち手には木のバーが使われ、まるでアイスキャンディーにも見えます。
いただきまーす！
それでは一口で。
柔らかいホワイトチョコレートに包まれた生地のしっとり感は想像以上。しかも、クリームチーズにより引き出された濃厚な味わいの中に感じるレモンの爽やかさが絶妙です。かといって、チーズ感はほとんど感じられません。
ケーキのようなやわらかさもありつつ、クリームのような滑らかさもあり、なんとも不思議な食感。これには完全にハマってしまいます。また、甘さが控えめなので、よりその食感が引き立っています。
大きすぎず、なおかつ食べ応えは充分。一口の中にギュッと満足感が詰まった『ケーキポップ レモン』、性別年齢問わずおすすめです。
一緒にいただいたストレートティーとの相性も抜群で、レモンの香りがより華やかに感じられます。これからの暑い季節には、アイスティーも良いかもしれませんね。
家族で、友人同士でなど、かわいいケーキポップを中心に話が盛り上がること間違いなし。おいしさはもちろんですが、会話を通して人と人とを繋ぐことができる逸品のスイーツです。
カップケーキ、ケーキポップに加え、土屋さんのアイデアやセンスが光るアイシングクッキー。パステルカラーのかわいいクッキーは、誕生日や七五三などのお子さんのお祝い事や、喜寿や米寿など、ご高齢の方のお祝い事に買い求める方も多いとか。ケーキのトッピングに使えばより華やかさも増しますね。
どれも素敵です
最後に、少し先の未来のことを土屋さんに伺ってみました。
「オープンして10年、結婚や出産もありましたが、家族や友人に支えられてなんとかここまでやってきました。出産前後にお店を閉めることもありましたが、再開を待っていてくださったお客様には本当に感謝しています。これから先も、無理せず自分なりのペースで続けていきたいですね。とにかく、楽しくがモットー。私の作るスイーツで、皆さんにも楽しくハッピーな時間を過ごしていただければ嬉しいです」
「リリーカップケーキ」の『ケーキポップ レモン』は、店舗のみでの販売となります。
福山でしか買えないお菓子『ケーキポップ』、福山に訪れた際にはぜひお買い求めくださいね。
