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2025.07.31 2025/08/01

【コーヒーカシュー】尾道の老舗コーヒー店が作った絶品スイーツ

※写真の無断転載はお控えください。

昭和レトロな街、尾道の老舗コーヒー店が作ったスイーツ

年間650万人以上の観光客が訪れ、昭和レトロな雰囲気が今も残る広島県尾道市は、古くから喫茶店文化が根付く街としても有名です。
JR尾道駅からほど近い尾道本通り商店街や、山手に続く坂道を歩けば、新旧問わず、さまざまな喫茶店やカフェに出会うことができます。
なかでも、コーヒーの「老舗」として、観光客はもちろん地元の方からも親しまれているのが「尾道浪漫珈琲」。現在その店舗は、尾道本通り商店街の本店を含め尾道市内に4店舗、広島市内にも3店舗と広がり、多くの方に利用されています。

尾道浪漫珈琲店舗外観
レンガ造りのレトロな雰囲気がおしゃれな尾道浪漫珈琲 本店

訪れたのは、そのなかの一つ、尾道浪漫珈琲 三成店。
ここでは、全店舗のコーヒー豆が焙煎されており、尾道浪漫珈琲の中核を担っています。併せて、新商品開発を行うラボも設置。世界各地から取り寄せられるコーヒーの試飲はもちろん、ワッフルやケーキなど、スイーツメニューの開発も行われています。

尾道浪漫珈琲・三成店の看板
こちらが三成店、お邪魔します
店内の様子
店内に入るとコーヒーの良い香りが♪

さて、今回私たちがご紹介するのは、コーヒーではなく…、『コーヒーカシュー』。
その名の通り、コーヒーとカシューナッツを組み合わせた新商品です。コーヒーにもナッツにも目がない私は、すでにかなりの興味をそそられています。

これまでも、「珈琲羊羹(こーひーようかん)」や「珈琲花豆(こーひーはなまめ)」といった斬新なコーヒースイーツを販売してきた尾道浪漫珈琲ですが、どれも珈琲の味や香りを活かしつつ、新たなスイーツのカタチを提案しています。
そこに新たにラインナップされた『コーヒーカシュー』。期待を裏切らないおいしさを想像しつつ、この老舗の代表取締役社長である神原 真樹(かんばら まさき)さんに、開発の経緯やその味わいについて、詳しくお聞きしました。

珈琲を入れる代表取締役社長の神原 真樹さん
真剣な眼差しでコーヒーを淹れる代表取締役社長の神原さん

尾道浪漫珈琲のこだわり。サイフォンで淹れた香り高い自家焙煎コーヒー

先程も触れたように、尾道市内だけでも4店舗を展開する尾道浪漫珈琲。
純喫茶として人気の本店とは異なり、お伺いした三成店はさまざまな客層がくつろげるラウンジのような雰囲気が漂います。

店内の様子
ゆったりくつろげそうなリッチな空間

「この辺りは住宅地ですので、お子さんから高齢者まで幅広い年齢の方が利用してくださいます。カウンターやソファなど、いろんなお席をご用意しているのもそのためです。
まずは、地域の方が足を運びやすいお店ということが大切。“珈琲専門店だからコーヒーだけを提供”、というスタンスは取っていません」

実際、メニューを見ると、コーヒーの他にも紅茶やフレッシュジュース、さらに、ワッフルをはじめ季節ごとのスイーツメニューも充実しています。

ただやはり、店内で一番目を引くのは、カウンターにずらりと並ぶサイフォン。蝶ネクタイを付けたバリスタが、無駄のない手つきでサイフォンを操りコーヒーを抽出していく姿は、思わず見惚れてしまうほどの美しさです。

カウンターにサイフォンが
ずらりと並んでいる様子
珈琲専門店ならではの景色
サイフォンでコーヒーが抽出されていく様子
じっくり見ていると不思議と心が落ち着きます

先代である父が創業した時から、このサイフォン式には一貫してこだわっています。サイフォンで淹れる珈琲の特徴は、なんといってもその香りの良さです。ペーパードリップやネルドリップよりも高温で抽出することができますので、コーヒー本来の香りが失われることがないんです」

その言葉通り、カウンターからはいい香りが漂います。一般の家庭ではなかなかサイフォン式にトライすることは難しいため、これも尾道浪漫珈琲に足を運びたくなる理由の一つだと感じます。

さらにその香り高いコーヒーを焙煎しているのもここ三成店。ドイツ製(PROBAT社)の希少なビンテージ焙煎機を導入し、メンテナンスを施しながら、常に良い状態で焙煎を行っています。焙煎機は地下に設置されていますが、ガラス張りの店内からはその様子を見ることも可能です。

焙煎機の写真
大きい…!焙煎機が動く様子は迫力です

「当店では、世界各地で栽培されている20種類以上のコーヒー豆を取り扱っています。アフリカ、アジア、南アメリカなど、それぞれの産地によって味わいも香りも異なりますので、その特徴を最大限引き出すよう、焙煎にも細心の注意を払っています」

さらに、コーヒーの個性を見極めるために力を入れているのが「Qグレーダー」という資格。コーヒーの品質を評価する国際資格で、その取得には、コーヒー豆の品質を客観的に評価できる能力が求められます。神原さんをはじめ、数名のQグレーダーが活躍する尾道浪漫珈琲のコーヒー豆は、確かなクオリティが保証されているのです。

ミルクコーヒーのような絶品スイーツ!「コーヒーカシュー」

さて、コーヒーはもちろん、さまざまなスイーツメニューでも私たちを惹きつけてやまない尾道浪漫珈琲。その一つが、今回ご紹介する『コーヒーカシュー』です。

実はこの商品、以前「なじみマガジン ONOMICHI」でご紹介した、「瀬戸内レモンジュエリー」を製造しているハンドベル株式会社とのコラボ商品。ナッツやドライフルーツの加工製造も行っているハンドベルの岡田 祥嗣(おかだ よしじ)社長から、神原さんが新商品開発を持ちかけられたことに端を発します。

ハンドベルの岡田 祥嗣社長
ハンドベル株式会社の社長 岡田さん

(岡田さん)
「お互いに尾道に拠点を置く会社として、以前から一緒に何かしらの商品を作りたいと思っていたんです。特にナッツ類の中でも人気のあるカシューナッツを使えば、新たな可能性が開けると思いましたね」

(神原さん)
「これまでの『珈琲羊羹』や『珈琲花豆』に加えて、新たな商品開発は私にとっても念願だったんです。お声かけいただいたときは、すぐにやってみようという気持ちになりました」

珈琲羊羹が販売されている様子
こちらは「珈琲羊羹」
羊羹のしっとりした甘さとコーヒーの香りが楽しめるんだそう

そして始まった商品開発。そもそもカシューナッツを選んだのには、人気の他にも理由があったと岡田さんは話します。

(岡田さん)
カシューナッツは独特のミルキー感を持っています。そのミルキー感がコーヒーと合わさることで、ミルクコーヒーのような味わいになると思ったんです。しかも、クリーミーでほんのりと感じる甘さもあるカシューナッツは、コーヒーの味わいをマイルドにできるとも考えました」

そこで、カシューナッツには、クオリティーが確かなベトナム産を使用することに。ただ、開発の過程ではカシューナッツにコーヒーをコーティングする難しさもあったと言います。

(岡田さん)
「当初は、生のカシューナッツに粉末のコーヒーをコーティングして炒る、という工程を踏んだんですが、コーヒー本来の風味が感じられず断念しました。そこで、『カフェオレベース』で再度試してみたんです。そうしたら、味も食感も思い通りの仕上がりになりました」

このカフェオレベース、実は尾道浪漫珈琲の人気商品。
家庭で手軽にカフェオレを楽しめるようにと、牛乳や氷で薄めて飲むことを前提に、コーヒーを高濃度で抽出し作られています。そのもととなっているのは、ブラジルの契約農家から仕入れた良質なスペシャルティコーヒー。品質の良さに間違いはありません。

両手にコーヒーの豆をいっぱい持っている写真
こだわりのコーヒー豆が美味しさの秘密

(神原さん)
高濃度で甘みもあるカフェオレベースは、お菓子に使用してもコーヒーの風味や香りを損なうことがないんです。だからこそ、カシューナッツにもうまくコーティングできたんだと思いますね」

そして、ついに完成した『コーヒーカシュー』。
半年に及ぶ試行錯誤の甲斐もあり、ミルクコーヒーのような味わいで、スペシャルティコーヒーならではの豊かな香りも感じられる商品に仕上がっています。神原さんも岡田さんも、「これなら皆さんに喜んでいただける」と納得の自信作だとか。
さらに、「コーヒーとカシューナッツのいいとこ取りができた」と、お二人とも口を揃えます。しかも、甘さ控えめで飽きのこない味わいは、甘いものが苦手な方はもちろん、年齢問わずに楽しめるようです。

珈琲の香ばしい香りと心地よいミルキー感が絶妙!「コーヒカシュー」

さて、コーヒーもカシューナッツもどちらも好きな私にとって、『コーヒカシュー』は珠玉の逸品!
早速いただいてみることにしましょう。

コーヒーカシューのパッケージ写真
しまなみ海道がデザインされたパッケージが可愛いです

『コーヒーカシュー』が入るのは、透明のプラスティックパッケージ。中には、コーヒーで濃い茶色に色付いたカシューナッツが透けて見えます。その容量は50g。カバンの中に忍ばせ、好きなときに口に運ぶことも可能です。

それでは、1粒取り出して、まずは香りから。
珈琲の香ばしい香りが、『コーヒーカシュー』の品質の確かさを感じさせます。見た目にも、コーヒーがまんべんなくコーティングされているのがわかります。

コーヒーカシューの写真
綺麗なコーヒー色が美味しそう!

期待度が高まるのと同時に口の中へ。一瞬にして、コーヒーの風味とカシューナッツの優しい甘みが広がります。まさにミルクコーヒーのような味わいで、甘さも強すぎずちょうどいい塩梅。カシューナッツのミルキー感も心地よく、コーヒーによってさらにそのミルキー感が倍増したようにも感じます。しかも、後から追いかけてくるほろ苦さも絶妙です。
さらに、ナッツの食感を損なわないように、カフェオレベースのコーティングが厚すぎず絶妙に仕上げられているため、噛んだ瞬間のカリッとした歯ざわりと、その後に続くカシューナッツのやわらかさも感じます。

口の中にはじんわりとコーヒーの風味とカシューナッツの甘さが残り、飲み込んだ後も余韻が残る美味しさ。パクパク食べたい気持ちと、一粒ずつ、しっかりと味わいながら食べたい気持ちに挟まれながら食べ進め…
気づけば一袋食べてしまっていました。

コーヒーを飲んだ後のような、ほっとした気持ちにさせてくれる贅沢な味わいにハマってしまいそうです。
手軽なサイズ感なのでお土産などにも喜ばれそうですね。

今回はそのまま頂きましたが、飲み物との相性も抜群。
コーヒーと合わせるのはもちろんのこと、ブランデーとも相性が良いのだとか。楽しみの幅が広がります。

お皿に入ったコーヒーカシューと珈琲が並んだ写真
午後のコーヒータイムがちょっとリッチなものに♪

(神原さん)
「ぜひ、アレンジも楽しんでいただきたいですね。細かく刻んで、ケーキにトッピングしてもいいですし、シュークリームの上にあしらっても、アクセントになっておいしく召し上がっていただけると思います。
『コーヒーカシュー』は尾道浪漫珈琲にとって、お客様との新たな接点になる商品。いろんな方に召し上がっていただきたいですね」

(岡田さん)
「尾道土産の新定番として手にとっていただけたらと思っています。これをきっかけに尾道に足を運んでいただけたら嬉しいです」

尾道浪漫珈琲とハンドベルがコラボした新商品『コーヒーカシュー』。
尾道にまた一つ逸品が完成しました!

価格もお手頃で嬉しい♪

現在『コーヒーカシュー』は、尾道浪漫珈琲の各店舗で販売中。これから徐々に販売店が増えていく予定です。皆さんもぜひお試しください。

  • 尾道市:尾道浪漫珈琲 本店、尾道福屋店、東尾道店、三成店
  • 広島市:福屋広島駅前店、西風新都店、ANA クラウンプラザホテル広島店

会社の紹介

株式会社浪漫珈琲
住所:〒722-0034 広島県尾道市十四日元町4番1号
電話番号:0848-37-6090

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