備後地域で愛される逸品を知る。

2025.01.20 2025/01/20

【徳山牧場】高原と美しい星空のまち、美星の逸品ジェラート

星空のまち、美星の徳山牧場が手掛けるこだわりジェラート

冬は、濃厚さや口溶けなどに特化した、スペシャルなアイスクリームが発売される季節だとご存知ですか?
「とにかく冷たいものを口にしたい!」という夏とは違い、暖房の効いた部屋でゆっくり味わうことができる冬場は、そのおいしさをより一層楽しめる季節。某有名アイスクリームメーカーは、なんと冬の売上が他の季節を凌いでいるほどです。
かく言う私も、冬のアイスクリームをこの上なく愛する一人。温かい部屋で冷たいアイスクリームを口にする瞬間は、何ものにも変え難い至福のひとときです。

窓際でカップアイスを食べる人の手元
温かい部屋で冷たいものを…
贅沢なひと時ですよね

さて、今回紹介するのは、夏場はもちろん冬のアイス好きにもおすすめのジェラート。岡山県の西端、井原市美星町(びせいちょう)にある「徳山牧場」が手掛けたこだわりの逸品、『ジェラートカップ ミルク』です。
美星町といえば、この「なじみマガジン ONOMICHI」では坂本鶏卵の「ゆで卵サンド」や、IL PATATA(イルパタタ)の「オリジナルプリン」を紹介しています。ここは平均標高が約300mの高原地帯で、美しい星空の町として世界的に認められています。
そんな環境で育った牛たちの生乳で作る、濃厚かつ後味スッキリのジェラートについて、3代目の奥様、徳山 佳奈(とくやま かな)さんにお話を伺いました。

インタビューを受ける徳山牧場三代目 奥様 徳山 佳奈さん
牧場の作るジェラート…と聞いただけでもう美味しそう
佳奈さん、色々教えてください!

牛にストレスをかけない、美星の恵みが育む良質な乳

徳山牧場は美星町に広がる高原環境を活かして、昭和29年より酪農を開始し、今では170頭ものホルスタインを飼育中です。

牧場と牛舎を引きで撮った写真
取材に伺ったのは冬頃
目の前に広がる山々と冷えた空気が気持ちいい
株式会社徳山牧場の看板
牛舎の方からは牛の元気そうな声が聞こえてきます!

「最初は1頭の牛の飼育からスタートしたと聞いています。それまで美星町に酪農家はなかったようですが、自然豊かなこのまちで、祖父がいち早く取り組んだようです」

徳山さんのお祖父様にあたる初代は、若い頃から「インドで農業を指導したい」との夢を抱き関東で勉強に励んだ、開拓精神豊かな方だったそう。ただ、戦後の事情で故郷の美星町に戻り、新たな収入源を模索する中、地域の環境を活かした「酪農」に目をつけたといいます。

「祖父はみんながやらないことをやる、というのがモットーだったようで、酪農を始めたのも、そんな理由があったみたいですね。しかも、この地域で草刈機やトラクターを初めて導入したのも祖父。新しもの好きだったとも聞いています」

牧草地に停まっているトラクター
お祖父様のチャレンジ精神から始まった酪農

その後、お祖父様は1頭ずつ牛を増やし酪農を本格化。美星町や井原市からのサポートもあり、次第に規模を拡大していきます。さらに、酪農は地域全体にも広がり、最盛期には大小あわせて200件もの酪農家が誕生。それぞれの家から集荷された牛乳で、まちの特産品「美星牛乳」が作られるまでに発展します。

「新鮮で濃厚な味わいの美星牛乳は、瞬く間に人気になりました。ヨーグルトやプリンも作られ、ファンも多かったんです」

ですが、牛乳の価格が低く経営を続けられない酪農家が増えたこと、さらに、牛乳の衛生管理規定が厳しくなり、それに対応する機械の導入が困難だという理由で、「美星牛乳」は、2019年に惜しまれつつ姿を消します。今では、酪農家も徳山牧場を含め3件を残すのみだとか。それでも美星町での酪農にこだわる徳山牧場。理由はどこにあるのでしょうか?

「やはり酪農に最適な自然環境があるということですね。まず、美星町には山々で蓄えられた豊富な地下水があるんです。そのきれいな水のおかげで、土がとても肥えています。肥沃な土で良い牧草が育ち、その牧草を食べて育った牛は、おのずと良質な乳を出すんです」

美星町に広がる自然の恩恵により、徳山牧場の牧草自給率は約70%にも及びます。しかもその方法は、循環型酪農。飼育している牛の堆肥を牧場の土にすき込み、そこで育った草を牛が食べるというサイクルを繰り返しているのです。

餌を食べる牛達
牛の堆肥で育った草は栄養満点に

「この循環型酪農は美星町の環境を守ることにもつながりますし、この方法だからこそ、良質で安心安全な乳を絞ることもできるんです。しかも、うちの牧場では、牛をロープなどで繋がず、自由に歩き回るフリーバーン方式。そのおかげで、牛たちものびのびとストレスなく過ごしています

一方、搾乳にはロボット搾乳機を導入し、作業の効率化を図っているそう。牛一頭一頭の搾乳時間や量などの情報をすべてコンピュータで管理し、その効率化によって生まれた時間を、牧草栽培に費やす。良い牛乳に欠かせない良い餌を育てることに、徹底してこだわっているからこその選択です。

牧場で搾ったばかりの生乳を使用!滑らかな舌触りのジェラート

さて、その徳山牧場がジェラートを作るようになったのは、今から15年ほど前。当時、農耕飼料の高騰が経営に大きく影響し、「牛乳の他にも事業の柱となる取り組みを」、と模索していたそうです。その頃のことを振り返りながら、佳奈さんのお義母様、始子(もとこ)さんは話します。

「同じ時期、大学で家を離れていた息子が卒業を機に帰郷することになったんです。心強い助っ人が加わりましたので、牛乳のおいしさを充分に伝えることができる商品として、ジェラートを作ろうということになりました」

他にも、現在、店舗を構えている「美星産直プラザ」の立ち上げがタイミングよく重なり、そこへの出店も確定。オープンまでわずか2〜3か月という短い期間で、ミルクを含め、6種類のジェラートを作り上げたそうです。

美星産直プラザ内にある徳山アイス工房の外観写真
美星産直プラザ内にあるアイス工房
可愛い牛さんが目印です
店内に売られているジェラート
店内には沢山のフレーバーのジェラートが販売されています
どれも食べてみたい…!

「まずこだわったのは、牧場で搾ったばかりの新鮮な生乳をジェラートに活かすことでした。手元に良い材料がありますので、短期間でも最高においしいジェラートができるはずだと思っていました」と始子さん。

そして、出来上がったのが、濃厚な味わいでしかも後味がスッキリとした、生乳ならではの特徴を持つ自慢のジェラート。

牧場自らジェラートを手掛けるメリットは、やはり、搾りたての『生乳』を使えること。一般的なジェラート店は超高温で殺菌した『牛乳』を使用しますが、うちでは牧場で搾ったばかりの生乳を80℃で10分間中温殺菌して使っているんです。安全で、なおかつ高い脂肪分のおかげでコク深い味わいが生まれます」

コーンに入ったダブルのジェラート
普通のジェラートには無い、搾りたて生乳ならではの美味しさが楽しめます

さらに、その脂肪分によって、ジェラートなのにアイスクリームのような滑らかな舌触りも生まれるそう。もちろん、ジェラート機にもこだわり、イタリアの最高峰ブランドと称される、カルピジャーニ社のものを導入。素材の良さを、最高の機械が存分に引き出しています。
中でも、今回紹介する『ジェラートカップ ミルク』は、他の種類に比べ生乳の配合が格段に多く、新鮮なおいしさをダイレクトに味わえます

「お客様にも、やはり『ミルク』が一番人気ですね。トリプルのアイスを全て『ミルク』でご注文される方もいらっしゃるほどです。小さなお子さんから90歳を超えるご高齢の方まで、幅広い年齢層から愛されているのは、素材の良さがあるからこそだと感じています」

濃厚なのに後味スッキリ!「ジェラートカップ ミルク」

佳奈さんにお聞きしたところ、『ジェラートカップ ミルク』のおすすめの食べ方は、冷凍庫から取り出し10分ほど放置し、カップを触ったときに少し柔らかさを感じるときだそう。
それを忠実に守りつつ、まずはパッケージを観察。
蓋に描かれているのは、美星の星空に浮かぶ牛のかわいいイラスト。「美星の贅沢ジェラート」というフレーズにも、期待が膨らみます。

「美星の贅沢ジェラート」のカップアイスのフタを外して中を撮影した写真
わくわく…
今すぐ食べたいけどガマン

では10分経過したところで、まずはそのままいただいてみましょう。
蓋を開けると、うっすら黄色みを帯びた艶やかなミルク色のジェラートが目を惹きます。常温で放置したこともあり、ちょうど良い具合の柔らかさになったジェラートに、スプーンがスーッと滑り込み…、まずは一口。

少し溶けたジェラートをスプーンですくっている様子
とろりと溶けて食べごろです

これは濃厚!
生乳ならではのバターにも似たコクと、柔らかい甘さが広がります。しかもとろけるような驚きの滑らかさ。ミルク特有のくどさもなく、口溶けがスッキリとしていて、後味がとてもさわやかです。

次に公式ホームページの案内通り、空気を含ませるようしっかり練ります。こうすることでお店でできたてを味わっているようなフワッと滑らかな食感になるんだとか。
食べ進めたい気持ちをグッと抑えて練っているとだんだんと粘度が増し、ねっとりしてきました。
表面がツヤツヤになってきたところでようやくいただきます。

口に入れた瞬間、ガツンとくるミルクの濃厚さにびっくり!
そのまま食べたときより、素材の甘味とコクが際立ってより強いミルク感を楽しめます。口当たりもガラリと変化し、クリーミーな食感と、もっちり濃厚なのにクセの無い後味が美味しくて、食べる手が止まりません。

練った後のジェラート
生乳の美味しさをそのままぎゅっと詰め込んだような美味しさ

この『ジェラートカップ ミルク』、ジェラートなのでアイスクリームよりも乳脂肪分が少なく低カロリー。それでいてアイスクリームのようなミルクの濃厚な味が楽しめるので、カロリーが気になるという方にはおすすめです。
それから不思議なのは、食べていくにつれ、その味わいにどこか懐かしさを感じること。
初めて食べているにもかかわらず、なじみ深い、落ち着く味わいです。思いがけず、美星の牧場でのんびりと草を喰む牛のイメージも浮かび、私自身が自然の恵みをいただいているような気持ちに。ジェラートをいただきながら、美星の里にも思いを馳せることができる、そんな逸品です。

「おいしく召し上がっていただくには、美星のまちにジェラートを食べにきていただくのが一番ですね」と佳奈さん。やはり、搾りたて新鮮な生乳で作るジェラートは、できたてをその場でいただくのが最高なのでしょうね。

美星まで足を運ぶのが難しい方は、『ジェラートカップ』をお取寄せで楽しんでみてください!
今回紹介したミルク以外にもチョコ、バニラ、抹茶、黒ごま、ほうじ茶のラインアップがありますよ。

ジェラートのカップが7個並んでいる写真 左上から「抹茶・チョコ・早雲蜜芋・ミルク・ほうじ茶・黒ごま・バニラ」
どれも美味しそう!
自分好みの味を見つけてみてくださいね

現在、徳山牧場アイス工房の『ジェラートカップ ミルク』は、通販サイト 楽天市場(ふるさと納税)、ホームページの他、実店舗、店舗外にある自動販売機で購入可能です。

お店の紹介

徳山牧場アイス工房
住所:〒714-1413 岡山県井原市美星町西水砂45-1
電話番号:0866-87-3380

公式ホームページ