備後地域で愛される逸品を知る。

2025.01.31 2025/02/01

【道の駅 よがんす白竜】レンコンが主役の薪窯焼きピッツァ

道の駅にある本格イタリアン「RESTAURANT YOGANSU」

休日や大型休暇ともなれば、多くの人で賑わう「道の駅」。
全国に広がるその数は1,200箇所を超え、かつての“長距離運転の休憩所”という域を超えています。
農家直送の野菜や果物、新鮮な魚介類やジビエ、さらにパンやスイーツまで、その土地ならではの食が楽しめるのはもちろんのこと、温泉やキャンプ場を併設する道の駅まであり、今や一大観光スポットとなっています。

ここ広島県にも20箇所以上の道の駅があり、地域性を活かした特徴を打ち出しています。
中でも、唯一無二の個性を持つ道の駅として異彩を放っているのが、三原市大和(だいわ)町にある「道の駅 よがんす白竜(はくりゅう)」。
カントリー風の洋館には産直野菜や特産品と併せ、ワインやチーズなどのイタリア産の食材が並び、まるで輸入食材店のようなオシャレでハイソな雰囲気が漂います。

よがんす白竜外観写真
まるで別荘のような外観
見ただけでワクワクしてきます♪
よがんす白竜の店内売り場の様子
店内には道の駅では普段見ないような商品が沢山!
見ているだけで楽しい

そこに併設されているのが、休日ともなれば1時間待ちも珍しくない人気のイタリアンレストラン「RESTAURANT YOGANSU」。
メインメニューは、イタリア製の「薪窯(まきがま)」で焼かれた本格的なナポリピッツァです。地元の方はもちろん、関西や関東から訪れたピッツァ好きを唸らせ、なおかつナポリ出身のイタリア人にも「本場のピッツァよりもおいしい!」と言わしめるメニューが並びます。

レストランの入り口と横に飾られているメニュー表
メニューを見るとどれも本格的でびっくり!

マリナーラやマルゲリータなどの王道から、地元の野菜をふんだんにトッピングしたオリジナルピッツァまで、その数は20種類以上。中でもとりわけ人気なのが、大和町特産のレンコンを使用した『薪窯焼きピッツァ だいわレンコン』です。
山間のまち大和町と、イタリアナポリの意外なコラボレーションから生まれた絶品ピッツァについて、「道の駅 よがんす白竜」の駅長、髙東 浩昭(たかとう ひろあき)さんにお話を伺いました。

よがんす白竜でしか味わえない、ナポリピッツァとは?

山々に囲まれた田園風景が広がる大和町。
かつて、こののどかな風景にたたずむ小さな道の駅は、見るからに寂れた印象だったと言います。

「当時は、年間の来客数がわずか2万人。経営を立て直す目的で、中小企業診断士として関わったのが、『よがんす白竜』との出会いです。それがいつの間にか駅長になっていました」と、髙東さんは笑います。

駅長の髙東さんがピザをもってこちらに見せてくれている写真
道の駅でなぜピッツァ?
笑顔でインタビューに答えてくれた髙東さん

髙東さんの経歴はかなりの異色。大学卒業後に大手自動車メーカーでマーケティングを専門とし、将来を有望視されていたのにもかかわらず、退職して就農。ただ、農業を行うには経営の知識も必要と考え、中小企業診断士の資格を取得します。その後、農業支援コンサルタントとしても活動する中、縁あって「よがんす白竜」の再生に関わったことが、髙東さんの運命を大きく変えます。

「どうすれば、この山間の道の駅に人が集まるようになるかを考えているうちに、気付けば本気で関わるようになっていたんです。片足だけのつもりが、気付けば両足とも突っ込んでいましたね」

周囲に観光スポットと呼べる場所もない「よがんす白竜」。だとしたら、ここを目的地として遠くからでも足を運んでもらうしかない。そう考え、出た答えが、『見たことのない道の駅』をめざすことだったそうです。
テーマとして掲げたのは、『おどろき』、『よろこび』、そして『くつろぎ』を感じられること。「そのためには、ここでしか手に入らないものや、体験できないことを提供する場所でなければならない」。そこで辿り着いたのが、薪窯で焼いたピッツァだったと言います。

ピザを焼くための薪窯
確かに、こんな立派な薪窯
道の駅で見たことありません!

「地元大和町の新鮮な食材を使ったピッツァは、『ここに来ていただく理由』になると確信したんです」

やるならば、本格的な手作りのものをめざそうと、髙東さん自ら先頭に立ち、ピッツァの元祖である「ナポリピッツァ」の勉強を開始。当時普及し始めたばかりのYouTube動画や本を繰り返し参考にし、生地の作り方や伸ばし方、薪窯での焼き方や薪の扱い方に至るまで、知識と技術の習得に励んだそうです。

「とにかく必死でしたね。ただナポリピッツァには、材料や作り方など厳しい規定があるんです。その受け継がれた技術はユネスコの世界無形文化遺産にも登録されるほど。ですから、いくら動画があるといっても、お客様に提供できるものができあがるまでには大変なこともありました。プロのセミナーに参加したり、本も擦り切れるほど読み込みながら、寝る間を惜しんで勉強に明け暮れる毎日でしたね」

特に難しかったのは、ナポリピッツァの生命線とも言える生地作り。小麦粉、塩、酵母、水のわずか4種類の素材を使って、外はカリッと、中はもっちりとした食感を出すためには、分量の微調整だけでなく、温度や湿度といった環境要素も大きな影響を与えます。つまり、ここ「よがんす白竜」でしかできない作り方を見つけ出す必要があったのです。

ピザ生地をこねている様子
生地完成への道のりは自身で築いていくしかありませんでした

そして、幾度となく試行錯誤を繰り返した結果、わずか半年で納得のいくピッツァが完成。この短期間での完成は、髙東さんの本気の証だったに違いありません。

その後、レストランで振る舞ったピッツァは、「本場の味」と評判を呼び、徐々に客足が伸びていきます。地元の産直品とイタリア産の食材が並ぶ道の駅としても話題となり、3年後には来場者が年間20万人にまで増加します。

お客様の多くがお目当てとされるのが、看板メニューの『薪窯焼きピッツァ だいわレンコン』。
大和町の特産品であるレンコンをふんだんにトッピングした、ここにしかないナポリピッツァ
です」

地元の特産品、大和レンコンが主役の「薪窯焼きピッツァ」

大和町は標高270m以上の中山間地域にあり、昼夜の温度差が大きい町。そんな環境で育つ大和町特産の「大和レンコン」は、色白でしゃきしゃきした歯ごたえが特徴。
よがんす白竜の『薪窯焼きピッツァ だいわレンコン』は、まさに「見たことのない道の駅」の代名詞とも言えるピッツァ。水分量の多いレンコンをトッピングの具材にすることには、難しさもあったそうです。

「スライスしたレンコンをそのまま生地に乗せ焼くと、水分が流れ出てしまい、うまく焼き上がらなかったんです。そこでレンコンを一旦冷凍させるという手間を加えたところ、レンコンの風味をそのままに、シャキッとした歯応えも残る仕上がりを実現できました」

ピザ生地にレンコンをトッピングしている様子
地道な努力とアイデア力で実現したレンコンのピッツァ

さらに、生地の材料も厳選した、と髙東さんは続けます。

「小麦粉は、国産とイタリア産のものをブレンドしています。酵母は国産の天然酵母、塩はイタリア産の天日乾燥した海塩のみを使っています。水は大和町の地下水。この近くには分水嶺があり、人の営みに触れていないきれいな水が確保できるんです」

その他、トッピングのソーセージは、肉やハーブを腸詰めにしたイタリア産のサルシッチャ、チーズも同じくイタリア産のモッツァレラチーズを使用。地元の野菜をトッピングのメインにし、大和とイタリアの融合を実現しています。

トッピングが完成したピザ生地
この一枚に大和とイタリアの美味しいがぎゅっと詰め込まれています

「それから、薪窯で焼き上げるということも、ナポリピッツァの重要な定義。最初は小さな窯からスタートし、いくつか窯を変えながら、今ではナポリで造られた薪窯を取り寄せて使用しています」

ドーム状の大きな薪窯に使用する薪には、地元の間伐材を利用。500℃にも上る薪窯では、わずか90秒でこんがりとピッツァが焼き上がります。外はカリッと中はモチっとした生地の食感も、高温の薪窯で一気に焼き上げるからこそなのだとか。

窯から焼けたピザを取り出す様子
トッピングも生地も窯も
全てにこだわりぬいた髙東さん

生地の量をはるかに超える、たっぷりの具材も特徴です。しかも野菜が主役。レンコンをはじめ、地元の新鮮な野菜のおいしさを熱々のピッツァで味わっていただきたいですね」

シャキとした歯応え、モチモチ食感!個性が奏でる味のハーモニー

さて、今回紹介するのは『冷凍薪窯焼きピッツァ だいわレンコン』。薪窯で焼いたものを、一気に−30℃で急速冷凍させたピッツァです。

冷凍され袋詰めされたピザ
焼き立ての美味しさが閉じ込められています

食べる際には、まず袋のまま2時間ほど自然解凍した後、オーブンまたはトースター、フライパンを使い焼き上げます。オーブンの場合は、霧吹きなどで縁に水を含ませて220℃で5~6分程度、トースターの場合は1,000Wで3~4分程度、フライパンの場合は蓋をして弱火で4~5分、その後蓋を外して強火で15~20秒程度加熱します。オーブンとトースターを利用する際には「予熱」がポイント。また、食べ頃のサインはモッツァレラチーズがフツフツしはじめた頃だとか。

では、『冷凍薪窯焼きピッツァ だいわレンコン』をいただいてみます。
今回はトースターを利用し、焼くこと4分。あっという間に、薪窯から取り出したばかりのような、こんがりとしたピッツァが完成です。バジルのスパイシーな香りと、モッツァレラチーズのやわらかな香りが漂います。ピッツァの表面に隙間なく並べられたレンコンと、サルシッチャも目を引き、食欲をそそります。

ピザの具を近くで撮った写真
ゴロゴロとしたトッピングが美味しそう~!

早速、カットして一口。
レンコンのシャキッとした歯応えと、サクッとした生地の食感がたまりません!
噛めば噛むほどレンコンの粘りと生地のモチモチ感が増し、ミルキー感たっぷりのとろっとしたモッツァレラチーズとの相性も抜群です。
さらに、サルシッチャの旨味とモッツァレラチーズの塩味、ハーブのスパイシー感を、トマトソースの優しい甘味が包み込み、それぞれをうまく調和。風味豊かなレンコンをはじめ、素材ごとの味わいは違うものの、全体的なバランスの良さは秀逸です。
髙東さんおすすめの白ワインとの「マリアージュ」も最高。見た目も盛りだくさんなピッツァと白ワインで、一気に食卓も華やぎます。
大和町で育った「野菜が主役」の『冷凍薪窯焼きピッツァ だいわレンコン』は、まさに本物を感じる逸品のナポリピッツァ。アウトドアやパーティーなど、普段とはひと味違った雰囲気で楽しむのも良いですね。

お皿にのったピザから1ピースとる様子
みんなでワイワイシェアして食べてみてください♪

最後に髙東さんに、「道の駅 よがんす白竜」のこれからのことを聞いてみました。

「ナポリピッツァに始まり、今では自社農園『YOGANSU FARM』でお米やイタリア野菜も栽培し、日本酒造りも行っています。最初は駅長になるとは想像もしていませんでしたが、大和町を盛り上げたい一心で歩んできました。今思えば、これも運命なのかもしれませんね。
『おどろき』、『よろこび』、『くつろぎ』を感じられる道の駅をめざして、これからも果敢に挑戦し続けていきたいです」

現在『冷凍薪窯焼きピッツァ だいわレンコン』は、通販サイト 楽天市場(ふるさと納税)、公式ホームページ、実店舗の他、以下で販売しています。

  • 広島市:酒商山田各店、BASIC AND ACCENT 広島PARCO店
  • 東京都:BASIC AND ACCENT 虎ノ門ヒルズステーションタワー店

大和町特産の大和レンコンとイタリア食材のコラボレーションから生まれた逸品ナポリピッツァ、ぜひ皆さんもご賞味ください。

お店の紹介

道の駅 よがんす白竜
住所:〒729-1321 広島県三原市大和町和木1650-1
電話番号:0847-35-3022

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