備後地域で愛される逸品を知る。

2022.10.07 2024/04/11

【たこせん】マダコの産地、瀬戸内・三原のたこせんべい

瀬戸内有数のマダコの産地!三原のたこせんべい

皆さん広島県三原市はご存知でしょうか?
広島県南部に位置し、戦国時代に毛利元就の三男である小早川隆景が築いた「浮城」の異名を持つ三原城の城下町を起源とする人口約9万人の街です。
広島空港・山陽新幹線・山陽本線・呉線・三原港・山陽自動車道など主要交通が整っており、広島県における交通の要衝でもあります。

三原城の城跡
三原の中心だった三原城
現在は城跡のみが残っています

そんな三原は瀬戸内でも有数のマダコの産地として知られています。
水温が安定していて、砂場と適度な岩場があり、水のきれいな環境を好むタコにとって、瀬戸内海の三原の海は生息していくのに最適な環境が整っているそうで、江戸時代からタコ漁が盛んに行われてきました。

そんなタコが有名な三原で、広島の人なら必ずと言っていいほど知っている老若男女問わず大人気のたこせんべいのお菓子があります。
今回は三原を代表するお土産『たこせん』をご紹介します!

箱に入ったたこせん
タコのイラストが特徴的なパッケージ
広島の人なら一度は見たことがあるお土産です

年間数億枚も売れる!広島を代表するお土産「たこせん」

『たこせん』を製造・販売しているのは、三原の地で約100年続く老舗のお菓子屋「ゑびす家」さんです。戦時中はうどんやパンをメインに販売されていましたが、時代の流れとともに徐々に季節ごとの生菓子や慶事のお菓子を作られるようになったそうです。
“手作りで美味しいものをお客様へお届けすること”をモットーに、常に勉強をし、進化しながらお菓子作りをされているとのことでした。

えびす家本店の外観写真
ゑびす家さんのお菓子は沢山の人に愛され、地域になくてはならない存在です

そんな三原に根付いたゑびす家さんですが、1988年に三原観光協会が8本足にちなんで8月8日を「タコの日」と宣言したことを受け、「三原の名物であるタコを知ってもらいたい!三原の美味しいタコを干物以外の商品でたくさんの方に味わってもらいたい!」とタコを使ったお菓子作りを始められました。
そうは言ってもお菓子×タコの組み合わせは簡単にできるものではありません。
海産物ならではのクセ、それを活かしながら美味しいお菓子を作るために日夜お菓子の開発に励まれたそうです。

何度も何度も開発を繰り返し、試行錯誤の末出来上がったのが「タコ・カルテット」と呼ばれる「たこせん・たこもみじ・たこサブレ・たこパイ饅頭」の4品!
それぞれがタコをふんだんに使ったゑびす家さんのオリジナル商品です。

たこもみじの写真
タコ・カルテットの一つ「たこもみじ」
タコともみじ饅頭の組み合わせはインパクト大!

その中でも今回紹介するたこせんべい『たこせん』は、年間数億枚売れる大ヒット商品なんですよ!

この『たこせん』、その認知度の高さからずいぶん昔から売られているものだと思っていたのですが、実は販売開始からまだ30年程とのこと。
なぜ30年間で広島を代表するお土産の一つになったのか気になりますよね。
今では三原になくてはならないお菓子になったその理由を紐解いていきます。

美味しいたこせんべいの秘密!お客様の声と進化し続ける味

三原のタコは、速い潮の流れに流されないようにと岩場に足をしっかり張り付け踏ん張っているため歯ごたえがあります。また、瀬戸内海の美味しい餌を食べて育っているため噛めば噛むほど味が増すのが特徴です。
その特徴を活かすために、ゑびす家さんの『たこせん』には、ミンチ状にされたタコがふんだんに入っているんですよ♪

商品開発にあたり、他社の 「たこせんべい」や「いかせんべい」を食べ比べて研究したり、試作品をお客様に食べていただき、様々な声を取り入れながら改良に改良を重ね作られたそうです。
このお客様の感想を聞く際も、あえて「いいところ」ではなく「悪いところ」や「気になるところ」を言ってもらうようにして、作り手には気づかないポイントをお客様の視点で数多く教えてもらったのだとか。

さらにこれだけ多くの人に愛され続けている商品にもかかわらず、もっとお客様に美味しく食べてもらうためにと、いまだに少しずつ味を改良していたり、夏と冬で微妙に味に変化を持たせたりと30年経った今でも日々研究をされているそうなんです!
ここまでくるとほんと脱帽ものですよね。

ゑびす家の原野さん
ゑびす家の原野さん
時代とともに進化し続けるお菓子作りをされていらっしゃいます

たくさんの方の声が詰まったこの『たこせん』。
三原の交通の便が良くなり、県内外からたくさんの人が三原に来るようになったこともあり、多くのお客様に手に取ってもらえるようになったそうですが、中でも男性にとても人気だそうで、ビジネスのお使いにお店に立ち寄ってくださる方が多いそうです。

お土産物と言えば甘いお菓子系が多い中で、老若男女問わず誰が食べても美味しく作られている『たこせん』だから、とっても重宝されているのが分かりますよね。

実際私も祖父母の家が三原市にあることもあって、お土産として用意してくれていたり、法事の際は必ず誰かが持ってきていたりと、さまざまなシーンで目にします。
正直「このたこせんべい、苦手なんだよね」って人を聞いたことがありません。私の両親はもちろん、娘たちも喜んで食べる、みんなが大好きなお菓子なんですよ♡

お皿に盛られたたこせんと温かいお茶の写真
子どもから大人まで美味しく食べられます
お土産で迷ったら『たこせん』を

一味が決め手!ピリッとした味がクセになる「たこせん」

おみやげコーナーでひと際目を引くピンクの包装紙に包まれたゑびす家さんの『たこせん』。
包装紙を開けてみると可愛らしいタコが描かれた、どこか懐かしいような袋に入っています。
中に見える煎餅は淡いオレンジ色をしていて、ところどころタコの色をしています。

小さなザルに盛られたたこせん
タコの美味しさが一枚にぎゅっと込められています

袋を開けるとタコの香りが広がります!
それではさっそく、まずは一口。
薄焼きで駄菓子のえびせんのようにすごく軽くパリッと食べられそうに見えますが、実は違います!
弾力のある三原のタコがふんだんに使われているため、意外と固くてバリっとした、しっかりした食感なんですよ。
このバリっ!ボリボリといった食感が本格的なたこせんべいって感じがしますよね。
噛めば噛むほどタコの風味と味が感じられるのも三原のタコならでは!

タコの味をしっかり感じながら程よい醤油ダレがさらに美味しいんですよね~
味がしっかりしているので、お菓子としてだけでなく、ビール片手におつまみとしても最高の組み合わせになるんです!お酒が進む味ですよ♡

たこせんのアップ
止まらないこの味は三原のタコだからこそ

そしてタコの味の後ろからひょっこり顔をのぞかせるピリッとした辛さ。
実はゑびす家さんの『たこせん』には、タコの味を引き立てながらアクセントになる「一味が入っているんですよ!
タコが有名な地域ではよく販売されているたこせんべいですが、一味が入っているのは珍しいそう。
このゑびす家さんならではの一味の存在感がまたいい味出してくれてるんですよ~~!
ほんのりとしたピリ辛感が舌を刺激すると同時に旨味を増幅してくれているもんだから、“やめられない、止まらない”沼発動です。うま~~♡

止めなきゃと思いながらすでにもう3枚目突入中です(笑)
これを食べる前に娘から「今から何枚食べるの?」と聞かれ1枚と答えた私の意志の弱さ…。
そして「私ならこれ5枚はすぐ食べれちゃうな~♡」と言った娘の正確さ!
美味しくてやめられないの、よく知っていますね(笑)

この『たこせん』、1枚たったの31kcalと超低カロリーなのでダイエット中の方や、小腹が空いてちょっと何かつまみたいという方にもおすすめです!
ただし、私のように美味しすぎて1枚じゃ我慢できない意志の弱い人にはオススメできません(笑)
そうしているうちにあっという間に4枚完食してしまいました。
ちょっと久しぶりに食べたのですが安定の美味しさで嬉しかったです!

お土産として大人気のゑびす家さんのたこせんべい『たこせん』ですが、私のように自分用に買って食べられる方もたくさんいらっしゃる、本当にファンの人が多い商品なんですよ!
現在、『たこせん』は通販サイト 楽天市場、公式ホームページの他、以下の店舗で購入することができます。

  • 広島県:JR広島駅、三原駅、広島空港、福屋全店、そのほか多数のスーパー
  • 東京:ひろしまブランドショップ TAU

ぜひ広島を代表する三原名菓『たこせん』のやめられない止まらない沼、体験してみてくださいね!

お店の紹介

有限会社ゑびす家
住所:〒723-0014 広島県三原市城町1丁目8−2
電話番号:0848-64-8739

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