備後地域で愛される逸品を知る。

2023.09.01 2024/01/01

【八天堂のくりーむパン ミルク】ふわふわ軽い口当たり

国内外にファンを持つ八天堂のくりーむパン

幼い頃、私が一番好きだったパンは、メロンパンでもジャムパンでもなく、クリームパン。

その頃、パンを買うと言えば、母に連れられて行くスーパーマーケットがほとんどで、陳列棚に並ぶ数々のパンの中から、いつも迷わず手にしていたのがクリームパンでした。
口に頬張ったときの、カスタードクリームの柔らかさと優しい甘さ。そのなんとも言えない幸福感に浸っていたような記憶があります。

あれから数十年、街のあちこちにパン屋が並び、「幻の…」「至高の…」等々、それぞれの店で特徴のあるクリームパンを目にするようになりました。

その中でも、圧倒的な人気を誇るのが、広島県三原市に本社を構えるくりーむパンの製造・販売メーカーの「八天堂」さん。

創業昭和8年 八天堂 広島みはら港町と書かれたロゴの写真
八角形のロゴは広島の人なら一度は目にしたことがあるはず

今や“八天堂のくりーむパン”は、国内だけではなく、海外にもファンを持つほどです。

常に「挑戦」を重ね、新しい商品を生み出し続ける八天堂のラインナップの中から、これまでの「くりーむパン」とは一線を画す商品の『くりーむパン ミルク』をご紹介します。

この『くりーむパン ミルク』、なんとクリームに卵を一切使っていない新発想のくりーむパンなんです。

特製ミルククリーム牛乳のやさしい甘みとパッケージに書かれた『くりーむパン ミルク』の写真
袋には特製ミルククリームの文字
美味しそうで気になります…!

くりーむパンから始まった八天堂の大躍進

訪れたのは、広島空港前の「八天堂ビレッジ」。
ここは、カフェやレストラン、パン作りが体験できる工房などもある、食のテーマパークです。

八天堂カフェリア 外観写真
伺った日は晴天!
敷地内は綺麗に整えられていて心地のいい雰囲気です
八天堂カフェリア 店内の様子
食事、体験、買い物がまるっと楽しめちゃいます♪

お話を伺ったのは、広報ブランディング室の藤井さんと、研究開発部の関徳さん。

広報ブランディング室の藤井さんと研究開発部の関徳さんの写真
左が関徳さん、右が藤井さん
笑顔がとてもステキなお二人です

まずは、2023年に創業90周年を迎えた「八天堂」のこれまでの歩みについてお聞きしました。

「八天堂は、1933年に和菓子屋として創業しました。世界的な経済不況に陥っていた当時、甘いもので少しでも人々を笑顔にしたいという、先代の強い思いがきっかけになっています。その後を継いだ2代目はさらに洋菓子も手掛けるようになり、和洋菓子店として長年、地元の方に愛されました。そして、神戸のパンの名店で修行を経験した3代目である現代表は、パンの魅力に惹かれて、パン屋として新たな業態にチャレンジすることになったのです」と藤井さん。

当時珍しかった、焼きたてを提供するパン屋は大きな反響を呼び、連日多くのお客様で賑わっていたそうです。徐々にパンの種類も増え、多いときには100種類を超えるまでに。それと同時に、店舗も各地に広がって行ったそうです。

ですが時が経つに連れ、ライバル店の増加や人材育成の困難さなどが原因となり、次第に経営が傾いて行ったと言います。

「美味しいパンを作ろうと意気込んでいた社員たちも、一人二人と会社を去って行ったと聞いています。代表は、自らの経営者としての未熟さを痛感し、会社経営を一から見直したそうです。現在の信条「八天堂は社員のために お品はお客様のために 利益は未来のために」、経営理念の「良い品 良い人 良い会社つくり」は、その経験が根底にあります」関徳さんは、そう話します。

八天堂BOOKの写真
代表の経験が詰まった「八天堂BOOK」
八天堂で働く人のバイブルです

お客様に愛されるパンとは?社員を大切にする経営とは?

それまであった数々のパンを敢えて1つに絞り、1年半の試行錯誤の結果、唯一無二のくりーむパンが遂に誕生します。
カスタード、生クリーム&カスタード、抹茶、チョコレート、小倉、これら5種類のくりーむパンが、次第に八天堂に新たなファンを呼ぶことになったのです。

現在では、「食のイノベーションを通した人づくりの会社」を宣言し、パン作りを軸に、社員一人ひとりがやりがいを感じ、成長を実感できる会社を目指しているそうです。

危機的な状況から生まれた新発想の「くりーむパン ミルク」

八天堂のくりーむパンの特徴は、なによりそのくちどけの良さ

口に含んだ瞬間、柔らかなパン生地の中から、トロっと滑らかな程よい甘さのクリームがあふれ、パン好きのみならず、スイーツ好きをも唸らせます。そしてスッと馴染んでいくくちどけの良さで、2つ、3つと手が伸びます。

また、一般的なクリームパンとは違い、冷やして食べるのも特徴。作られた時の鮮度そのままに、しっとりした柔らかさでいただくことができます。

これらが、「スイーツパン」と称される所以でもあり、多くのリピートファンを惹きつける理由です。

店内に八天堂のくりーむパンが陳列されている写真
八天堂のくりーむパンでしか味わえない美味しさが人気の秘密なんですね

八天堂には、お客様からの声も多く届くそうです。中には、ほとんど食が進まないのに、くりーむパンなら食べることができるという高齢者からの嬉しい声もあるとか。また時には、大きな口でパンを頬張る写真が送られてくることもあり、どれほど多くの方から愛されているかがわかります。

「お客様からの声は本当に励みになります。もちろん、原材料にもこだわっていますので、皆さん安心して食べていただいていると思いますが、おそらく、手作りの優しさのようなものも感じておられるのだと思います。お母さんが作るおにぎりのような感覚で召し上がっていただけたら嬉しいです」と関徳さん。

お客様の声をパネルにした写真
お客様の声をパネルにして社内で共有されているそうです

2008年の発売依頼これまで、定番に加え、季節限定の商品や他社とのコラボレーション商品など、新たなくりーむパンの開発にも積極的に取り組んでいる八天堂ですが、その中で2023年5月に発売されたのが、今回ご紹介する『くりーむパン ミルク』です。

この商品の最大の特徴は、カスタードクリームではなく、卵不使用のミルククリームがたっぷりと入っていること。この商品について、改めて関徳さんにお伺いしました。

研究開発部の関徳さん
ミルククリームのくりーむパン開発には理由がありました

「このパンの開発には、いくつかの理由が重なっています。一番大きな理由は、鳥インフルエンザによる卵不足です。カスタードクリームには卵を使用していますが、その卵が手に入りにくい状況になったことで、クリームの発想自体を変える必要がありました。
それから、コロナ禍も一因となり深刻化した牛乳の廃棄問題。牛乳ベースのクリームを作ることで、少しでもその解決に貢献できないかという思いもあったんです」

実は、八天堂では以前から、環境問題に対する取り組みの一環として「プラントベース(※)」のパン作りにも取り掛かっていたそう。植物由来の材料を使った試作に取り組んでいたこともあり、卵不足というある意味危機的な状況と、牛乳廃棄という社会的な問題が後押しとなり牛乳ベースのくりーむパン開発が進んでいきました。

ですが、そこにご苦労はなかったのでしょうか?

「まず、クリームに卵を使うという固定概念を無くし、一般的なカスタードクリームではなく、北海道産の牛乳を前面に出したミルククリームを作ることにしたんです。そして、八天堂の特徴であるくちどけと、いくつも食べたくなるくりーむパンに仕上げるために、研究開発部のメンバーで試作を繰り返しました。すでに、プラントベースの商品作りにも取り組んでいたおかげで、全ての要素が繋がり、思ったよりもスムーズに開発が進んで行きました」

パンにミルククリームが詰められている写真
様々な課題を乗り越えて生まれた、想いのこもったくりーむパンなんですね!

そして、新発想のくりーむパン『くりーむパン ミルク』が完成します。

※ 動物由来の原材料ではなく、植物由来の原材料を使用すること

ふわふわ軽い口当たり!ミルククリームの「くりーむパン ミルク」

さて、では実際に『くりーむパン ミルク』をいただいてみることに。

まず手に取って最初に感じるのが、その柔らかさ。手に吸い付くようなしっとり感から、生地のきめ細かさが伝わってきます。2つに割ってみると、たっぷり入った真っ白なミルククリームがあふれ出そうに。その滑らかさは一目瞭然です。

『くりーむパン ミルク』を二つに割った写真
力を入れたら潰してしまいそうな柔らかさです…!

そして一口…
クリームパンを食べているというよりは、生クリームたっぷりのケーキを食べた時の食感に近いです。
しかも濃厚なミルククリームかと思いきや、とてもあっさりとしていて、ふわふわ軽い口あたり。甘さ控えめのクリームが口の中でサッと溶け、くちどけの良さが後を引きます。

北海道産牛乳をメインに、いくつかの材料のみを掛け合わせたミルククリームは、シンプルがゆえに、その素材の良さと作り手のこだわりをダイレクトに感じます。

カスタードクリームを使用したクリームパンの重たい感じが苦手、という方にはとても食べやすいと思います。

美味しいのはもちろんのこと、同時に、子どもの頃に感じた幸福感がよみがえりました。
まさに、1つで終わらず、思わず2つ3つと食べたくなるくりーむパン。間違いなく、年齢を問わず、新たな八天堂ファンを惹きつける逸品です。

半分に割った『くりーむパン ミルク』の断面の写真
しゅわしゅわふわっ
このクリームの優しい甘さがたまらない♪

美味しくて温かみが感じられるような商品、それをきっかけに人と人が繋がっていくような商品、それらを作ってお客様に届けていくこと。
併せて、作り手が育んできたパン作りへの想いもお客様に伝えていくこと。

このこだわりこそが、今や、「くりーむパンと言えば八天堂」と誰もが認める、最も大きな理由なのかもしれません。
100周年を迎える頃にもきっと、私たちを笑顔にしてくれる「くりーむパン」を作り続けていることだと思います。

八天堂ビレッジにあるお堂「八天堂」
初代の出身地、世羅町に社名の由来となった「八天堂」というお堂があります
(写真はそれを模した八天堂ビレッジにあるお堂「八天堂」)

現在、『くりーむパン ミルク』は八天堂オンラインショップを中心に販売中です。(実店舗での販売はお電話にてお問合せください)
皆さんもぜひ、味わってみてください。

また通販サイト Amazonや楽天市場では、「八天堂」の商品を購入することができます。こちらもぜひチェックしてみてください。

会社の紹介

株式会社八天堂
住所:〒723-0051 広島県三原市宮浦3丁目31-7
電話番号:0120-52-7152

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