
【くにひろ屋の洋酒ケーキ】大人の舌を唸らせる!絶品スイーツ
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広島県府中市は備後地方の内陸に位置するまち。
古くから木工業を中心に栄え、「婚礼家具」の産地としても有名です。芦田川が流れるこの小さなまちは、戦後の復興期に多くの木工職人を育て、活気に包まれていました。
現在は人口減少や商店街の衰退が進んでいますが、暮らしに根付いた食文化が、地域の特徴を語る大切な要素になっています。その代表格が、このまち独自のお好み焼き「府中焼き」です。
県内各地に「ご当地お好み焼き」があるなか、府中焼きの最大の特徴は、豚バラ肉ではなく「ミンチ肉」を使う点。昭和の時代、ミンチは安価で手に入りやすく、それを使った府中焼きは、手軽に味わえる庶民の味として広がっていきました。安さと満腹感、そして家庭的な温もり。これこそが府中焼きの原点です。
また、府中焼きが全国的に広く知られるようになったのは、「B-1グランプリ」がきっかけ。B-1グランプリとは、2006年から始まった「ご当地グルメでまちおこし」をテーマにしたイベントで、各地のB級グルメが一堂に会し、味だけでなく地域のPR力も競います。府中焼きも出場を重ね、全国にその名を広めました。
さらに、広島県主催の「第1回広島てっぱんグランプリ」では府中焼きが初代王者となり、そのおいしさが一気に注目を集めました。
さて、今回取材に伺った「平の家」も府中焼きの歴史を刻んできた名店。
昭和27年、川沿いの借家で創業した老舗は、1枚10円の薄焼きから始まり、かまぼこを肉の代わりに入れて提供していた時代もあるそう。そんな「平の家」が、故郷の味を全国の人にも味わってもらいたいとの思いから作ったのが『冷凍 備後府中焼き』です。県外からのお客様も多い「平の家」の逸品のおいしさに迫ります。
現在、2代目の平田 篤三(ひらた あつみ)さんと育子(いくこ)さん夫妻が中心となり、店を切り盛りする「平の家」。
そこには、ご夫妻の姿や、いずれ3代目を引き継ぐお孫さんの姿もあります。
週末となると県内外から多くのお客様が訪れ、店の外には行列ができるほど。広島に出張中のサラリーマンが、レンタカーでわざわざ足を運ぶこともあるそうです。その理由はやはり、平の家ならではの府中焼きの味わいにあります。
「うちの店では、国産黒毛和牛のミンチを使っているんです。他のお店では豚ミンチを使うことが多いようですが、牛にしたのは焼いたときの甘みの良さから。その甘みが他の具材にも広がり、おいしさの秘訣になっています」
そう話すのは育子さん。創業した義父母を手伝っていた頃から数十年にわたり、府中焼きに愛情を注いできた人です。
ただ、平の家の特徴はそれだけではなく、具材を重ねる順番にもあります。一般的には、鉄板に生地を薄く伸ばし、その上にまずキャベツ、麺の順番で重ねていきますが、ここでは、麺、キャベツの順。そうすることで、キャベツの甘味と水分が麺や生地に染み渡り、しっとりとした食感に仕上がるからだとか。さらに牛ミンチの旨みも加わることで、おいしさの相乗効果が生まれます。
そして、平の家のオリジナルといえば「生卵がけ」。
広島のお好み焼きは、最後に鉄板で卵を別焼きし、その上に生地を乗せて仕上げますが、平の家では、生卵を焼き上がったお好み焼きの上に直接回しかけて完成です。ネギをトッピングする頃には半熟状態になり、トロッとした食感になります。
その味わいに魅了され、リピーターとなるお客様も多いようですが、この作り方は、義母の「うっかり」から始まったそうです。
「ある時、卵を焼いて重ねるのを忘れた母が、溶いた卵を上からかけた、ということが始まり。それがおいしいと評判になり、この店のスタイルになったんです」
偶然の工夫が、思いがけず伝統に。それ以来、「平の家といえば、生卵がけ」と言われるほど、店の名を広めるきっかけになったようです。
だからこそ、使用する卵にもこだわります。府中の隣、世羅高原から仕入れた卵は、その飼育環境と餌の良さから、黄身の味わいが違うといいます。
「生で味わっていただくので、新鮮さはもちろん、味の濃さも欠かせません。世羅高原で育った卵は、特に黄身が甘くて濃厚。平の家の府中焼きのおいしさは、この卵のおかげもあるかもしれませんね」
そのほかの具材にもこだわります。キャベツもしっかりと巻きの良い品質の確かなものを選び、千切りに。味のアクセントとなるイカ天も加え、ソースは、平の家特製の甘めのブレンドです。そばやうどんの他に、唐辛子が練り込まれた真っ赤な「辛麺」をチョイスすることも可能。常連客には、トッピングを含め自分のスタイルを確立している人も多いようです。
今回ご紹介するのは、その平の家が、お客様からの声に応えようと販売を始めた『冷凍 備後府中焼き』。「自宅でもその味を楽しみたい」、「県外に暮らす家族に食べさせたい」という願いを叶えた一品です。
「おかげさまで北海道から沖縄まで全国各地からご注文をいただいています。店の鉄板で焼いたものを急速冷凍し、真空状態で送りますので、店と同じ味わいを楽しんでいただけます」
そう、平の家の『冷凍 備後府中焼き』は、有名店でよく見られるような工場での委託製造ではなく、店で焼いたものが届けられるのです。おいしさそのままに、平の家の味を楽しめるのが最大の推しポイント。ソースや刻みネギ、かつお節も店で使用しているものがセットされています。ただ一つ、「生卵がけ」だけはお客様の一手間が必要です。
「お送りするお好み焼きにも、すでに焼いた卵を重ねていますが、溶き卵を回しかけてもらうことで、店の味を再現していただきたいですね」
平の家の年季の入った鉄板で焼かれた府中焼き。生地の上に麺、キャベツ、イカ天、牛ミンチを重ね、最後にもう一度うっすらと生地をかける。強火で一気に焼き、頃合いを見計らってひっくり返す。そしてギュッギュッと大きなヘラで押す。すべての具材の甘みと旨みが一つになった府中焼きは、何度食べてもそのおいしさに魅了されます。生卵かけはその仕上げ。平の家の味を再現するため、最後の一手間をお客様自身で楽しむことができるのです。
「おいしく召し上がっていただくには、まず冷凍パックの端をカットし、500Wの電子レンジで5分温めていただきます。それから、あらかじめ熱したフライパンかホットプレートに移し、ソースと溶き卵をかけ、蓋をして2分。底がカリカリに焼けたところに、かつお節とネギをトッピングしたらできあがりです」
電子レンジだけで仕上げたいという場合には、同じように500Wの電子レンジで5分温めたものをお皿に移し、ソースと溶き卵をかけ、さらに電子レンジで1分温めれば完成。ただし、育子さん曰く、最後に直火で焼きを加える方が、よりおいしいとのこと。
「発送も、もちろんここから行っています。お店の味をそのままお届けすることがこだわりですね。ぜひ、ここ府中の味を楽しんでいただきたいです」
「ミシュランガイド 広島・愛媛2018特別版」で、2度目のビブグルマンに選ばれた平の家。
府中市出身のロックバンド「T-BOLAN」のボーカル、森友 嵐士(もりとも あらし)さんなど、有名人にも熱狂的なファンを持つそのおいしさとは?
では実際にいただいてみましょう!
麺は、普通のものと辛麺の2種類から選べますが、今回は普通の麺をチョイス。
育子さんのアドバイスに従い、まずは電子レンジで加熱。その後、薄く油を引いたホットプレートで焼き上げていきます。付属のソースをかけ、その上にざっくりと溶いた卵を回しかけます。そして蓋をして2分。ジュージューと沸き立つ水蒸気とソースの香ばしい香りがたまりません。時間が経つにつれ、卵も半熟状態に変わっていきます。あっという間に完成です。
それでは熱々をいただきます!
箸を入れると、そのしっとり感に驚きです。半熟の卵と生地全体が一体となり、その柔らかさは衝撃的。口に運ぶと、卵のなめらかさが、キャベツや麺を包みこみます。牛ミンチから溢れる甘み、イカ天から出る旨みも重なり合い、特製ソースがそれらをうまくまとめています。ホットプレートで焼き上げているので、底のカリカリ感も絶妙。しっとり感とのバランスも最高です。思わず食べ進め、気づけば完食!
冷凍でここまでのクオリティとは恐れ入りました。まさに、お店の味と食感そのもの。生卵がけが必須だということにも納得です。
この味を自宅で食べられるとは…。府中焼きが食べたくなったら平の家の『冷凍 備後府中焼き』。間違いなくおすすめの逸品です。
育子さんのお孫さんが、3代目となるべく修行を行う平の家。ですが、まち全体を見渡すと、府中焼きのお店をはじめ、シャッターを下ろす商店も少なくありません。若者の市外への流失も珍しくないとか。そんななか、平の家は伝統の味をこれからも繋いでいく覚悟。その姿勢からは、「府中の食文化を守る」という強い思いも伝わってきます。
「大切なのは丁寧に焼き続けること。それだけです」。その一言に、平の家の今後への意気込みが凝縮されています。
現在、『冷凍 備後府中焼き』は通販サイト 楽天市場(ふるさと納税)、公式ホームページの他、店舗でも購入可能です。皆さんもぜひお楽しみください。