DENTO創作、おしゃれなデザインの「木製オリジナルコースター」
普段の暮らしに「豊かさ」を感じる瞬間はありますか?
仕事や子育てなど、ついつい日常のあれこれに追われ、なかなか暮らしそのものに目を向けることが難しい、実際には、そんな方が多いかもしれませんね。
ですが、ほんの小さな日常の変化が、心を華やかにしてくれることもあります。例えば、食卓に花を飾ったり、リビングで好きな音楽を流したり、少しこだわった器を使ったり…
今回は、そんな普段の暮らしに、ちょっとしたエッセンスを加える、「雑貨以上、家具未満」の逸品、おしゃれなデザインの『木製オリジナルコースター』をご紹介します。
訪れたのは広島県の中東部に位置する府中市上下町。
かつてこの町は、江戸時代に石見銀山(島根県)から瀬戸内海に続く「銀山街道」の宿場町として栄え、幕府が直轄で治める「天領」とされていました。そのため、町の中心部には、商家や代官所として使われていた屋敷が「白壁の街並み」として残り、情緒豊かな雰囲気のまま大切に保存されています。
そこから車で10分程、目的地である家具メーカーの「伝統工芸株式会社」(以下、DENTO)さんは、四方を山に囲まれた田園風景の中にあります。
額縁製造の技術が生み出した、生活に彩りを添える家具たち
DENTOは、額縁、屏風、茶道具などを作る会社として、ここ上下町で創業、40年の歴史を持っています。大手額縁メーカーの下請けとして長年事業を行っていましたが、バブル崩壊と共に、業界の需要は下火に。木工の技術を基に、新たな一歩を模索していたそうです。
「それ以前から、家具メーカーよりソファーの木部(外枠部分)の注文を受けていたんです。直線を出したり、角を合わせる留めの技術は額縁製造で培ったもので、高い評価をいただいていました。そこで、その技術を活かして、普段の生活に取り入れやすい家具を作ってはどうか、ということになり、最初に手掛けたのが「スツール」でした。」
「三方留」といわれる、額縁製造で磨いた技術を使い、座面を三方からの足で支えたスツールは、全国規模の展示会でも大きな注目を浴び、各地のメーカーから注文が後を絶たなかったと言います。
「額縁屋が作る家具、ということで、皆さんも興味を持ったようでした。これまでの技術を、家具作りの特徴として活かすことができるということは、私たちにとっても大きな気付きになりました。それからしばらくして、オリジナル家具も続けて製作することになったんです。」
DENTO家具のコンセプトは、空間を邪魔することなく生活に馴染み、なおかつ存在感も感じられるということ。これはもちろん、今なお事業の軸である額縁作りに通じることでもあります。あくまで作品を主役とし、脇役として存在する「額縁」と、主張しすぎず暮らしに溶け込む「家具」。つまり、どちらも「引き立て役」として捉えられているのです。
「ですが、DENTOのものづくりの中心は、あくまでも額縁。インテリアの一つとして額縁を認知していただき、そこからさらに、家具も提案できればと思っています。
ですので、少しずつ生活に彩りをプラスさせていくことができる、コンパクトなサイズ感を大事にし、しかも無垢材ならではの木の温もりや質感を感じられる家具を作っています。また、各パーツの精度の高さを活かして、お客様が自ら組み立てる家具も提案しており、スツールがその代表です。
若い世代の方にも興味を持っていただきたいので、価格も手が届きやすいものにしています。」
現在では、ソファーやダイニングテーブル、ベットなども製作し、暮らしをトータルで提案しているDENTO。額縁作りの技術からもたらされる直線的な凛とした佇まいと、柔らかなフォルムを併せ持った多様な家具は、今や全国の家具店やインテリアショップでお客様を魅了しています。
今回お話を聞いたDENTO3代目社長の服巻さんは異色の経歴の持ち主。奥様のご実家であるDENTOに勤める前は、イタリアンレストランのシェフだったと言います。
「昔からものづくりが好きだったんです。ですので、私自身は、包丁がノミに、キャベツが木に変わっただけだと思っています。ヴィンテージ家具にも興味がありましたし、この世界に入ることに抵抗はなかったですね。ただ、家具作りには全く知識がなかったので、逆に気負うことなく飛び込めたのかもしれませんね。(笑)」
とにかく、興味があるものには常にトライしていきたいという服巻社長。その姿勢はDENTOのものづくりにもしっかり反映されています。今では、家具作りが少しずつ枝葉を広げ、「雑貨以上、家具未満」のインテリア用品も手掛けています。
女性社員のアイディアから生まれた「木製オリジナルコースター」
今回ご紹介するおしゃれなデザインの『木製オリジナルコースター』もその一つ。
「好き」をカタチに、というコンセプトを元に、「FAVORMADE」というブランドから、暮らしの中にそっと溶け込むインテリアとして提案されています。
そもそも、このブランドはDENTOの職人たちが、自ら使いたいものや、好きなものを追求したアイテムがまとまったもので、カッティングボードやトレイ、ブックスタンドなども作られています。それらの材料として使われているのは、家具製造の過程で出た端材。ウォールナットやオーク、チェリーなどの木材が、職人の技術によっておしゃれなインテリア用品として生まれ変わっているのです。
「お客様を尋ねた際、無垢材のテーブルがビニール性のテーブルクロスで覆われていたことがありました。水や汚れからテーブルを守りたいという思いからでしょうが、家具屋としては少し残念でした。それでは、無垢材の手触りや風合いを楽しんでいただけませんし、木は加工しても「呼吸」を続けていますので、反りの原因にもなります。
ですので、グラスを置いた時などの「水染み」の心配だけでも取り除くことができないかと思い、『木製オリジナルコースター』を作ったんです。」
端材から作られているとはいえ、職人が一つひとつ手作業で丁寧に仕上げた逸品であることに間違いありません。
ウォールナット、オーク、チェリー、それぞれの色合いも美しく、使い込むほどに、ウォールナットの色味はチェリーに近くなり、チェリーは色濃くなっていくという経年変化を楽しめるとか。また、ナチュラル嗜好の方には、オークが人気だそうです。
「額縁もそうですが、『木製オリジナルコースター』をはじめ、「FAVORMADE」で提案するものは、言ってみれば「名脇役」。決して2枚目俳優ではないけれど、味のある良い演技をするバイプレーヤーなんです。その他にも、使い手に嬉しい特徴がまだあります。」
この『木製オリジナルコースター』、グラスなどを置く部分が窪んでいるため、積み重ねて収納が可能。これはDENTOの女性社員のアイデアとのことで、日常生活での使い勝手に目が向く女性ならではの視点が活かされています。
また、無垢材だからこそ、つい心配になる手入れも、オリーブオイルを染み込ませた布で拭き、陰干しをするだけで良いとのこと。オイル仕上げのものなら、同じ手入れが可能で、無垢材のアイテムがより暮らしに取り入れやすくなります。
心地良い気分にさせる、DENTOの「木製オリジナルコースター」
さて、私も実際に3種類のコースターを、暮らしの中に取り入れてみました。
そこでまず悩むのが、どれを使おうかということ。どの色も優しく、同時に木目の違いにも目を惹かれます。ですので、いろんなシーンで使用してみることに。
グラスやタンブラー、マグカップに湯呑みなど、素材も質感も色も違うものを、それぞれのコースターに置いてみましたが、どの組み合わせも「絵」になるほど素敵。
ゆっくりと一人時間を楽しむとき、お友達を呼んでお茶会を開くときに、夫婦で一緒の時間を大切に過ごすとき、どんなシーンでも自然になじんでくれて空間を心地よいものにしてくれます。
その他にも、花を生けた小さな花瓶や多肉植物の鉢を置くのもおすすめです。
「作品を主役とし、引き立て役に徹する額縁」を手掛けるDENTOの技術と特徴がはっきりと活かされていると実感しました。
また裏面にはDENTOの文字が刻まれており、コースターとして使わないときはおしゃれなインテリア雑貨としてそのまま飾ってもいいですね。
ナチュラルテイストでまとめたお部屋に合うのはもちろんですが、DENTOのコースターはお部屋のテイストを選ばないので、これ一つあることでお部屋の表情をぐっと和らげてくれます。
あわただしい毎日を送る自分へのご褒美にも、ナチュラルでぬくもりのあるテイストが好きな方への誕生日プレゼントや結婚祝いなどにも喜ばれると思います。
暮らしに寄り添ってくれるDENTOの『木製オリジナルコースター』で、お家がほんのちょっと心地よい空間になるかもしれません。
「名脇役」に徹し主役を引き立てる『木製オリジナルコースター』をはじめとするインテリア用品。それから、主張しすぎず暮らしに溶け込みながらも存在感のある「家具」の数々。額縁の会社としての長年の積み重ねが形となり、DENTOが故のオリジナリティーが貫かれています。
現在、『木製オリジナルコースター』は通販サイト 楽天市場(ふるさと納税)、公式ホームページで購入可能です。また、毎年11月初旬にDENTO敷地内で開催される、ライフスタイルマーケット「木になる生活店」でも販売されているとのこと。
ぜひ、皆さんの暮らしに寄り添うエッセンスとして、取り入れていただきたい逸品です。