
卵界のソムリエ「三ツ星タマリエ」が開発したマヨネーズ
広島県の中東部、標高約350mの世羅台地にある世羅町は、周囲を緑豊かな山々に囲まれた高原のまち。
その環境から夏は涼しく、冬には氷点下になり積雪する日も珍しくありません。
中でも、特に雪の多い地域が、三次市との境に位置する下津田(しもづた)地区。取材当日は前日の雪があらかた溶け、うっすらと雪が残っていました。
今回お伺いしたのは、この地域で養鶏業を営む「有限会社 菅藤養鶏場(すがとうようけいじょう)」。

冷たい風とクリアな空気が気持ちいい~

早速お話聞かせてください!
代表取締役の菅藤 裕美(すがとう ひろみ)さんは話します。
「この時期は、鶏舎内の温かさにほっとします。鶏の体温で、冬でも鶏舎内は10℃くらいなんですよ」

「コッコちゃん」という愛称で親しまれる菅藤さんは、日本卵業協会が認定する卵界のソムリエ「三ツ星タマリエ」の資格を持つ、正真正銘の卵博士。幼い頃より養鶏に親しみ、「卵のことなら、なんでも聞いてください!」と胸を張ります。
その菅藤さんが、自ら育てた卵のおいしさを一人でも多くの方に伝えたいと開発したのが、『ふみちゃん家のマヨネーズ』。厳選された素材から生まれるやさしい味わいで、市販のマヨネーズが苦手な方の概念を塗り替える逸品だと評判です。
菅藤養鶏場で生まれた新鮮な卵のおいしさや、マヨネーズへのこだわりなど、詳しくお聞きしました。
「ふみちゃん家のたまご」の魅力は、丁寧な飼育とこだわりのエサ
下津田地区は、その恵まれた自然環境からか、かつては多くの家が養鶏を営んでいました。ですが、担い手不足などが理由となり、今では菅藤養鶏場1軒だけとなっています。
両親のもとで小さな頃から鶏舎で過ごし、卵の収穫などをよく手伝っていた菅藤さん。もちろん、口にしていたのはいつも生まれたての新鮮な卵だったと言います。
「卵を食べたお客様から、『ふみちゃん家のたまご』を食べたら他の卵が食べられなくなった、と言っていただくことがよくあるんです。鼻が敏感な方からは、卵特有の匂いが気にならず食べやすいとも。私にとっては、一般的な卵との違いを初めて意識する言葉でした。それも、父と母がこれまで真面目に養鶏に取り組んできたおかげですね」

卵の名前「ふみちゃん家のたまご」の「ふみちゃん」とは、お母様のお名前から取られたものです。呼びやすく親しみやすいネーミングは、お父様のアイデアだったとか。ご夫婦の絆やこれまでの歩みが垣間見える素敵な名称ですね。
「今では両親も引退し、スタッフさんたちと一緒に養鶏を行なっていますが、飼育方法やエサはしっかりと受け継いでいます」
菅藤養鶏場の飼育は、太陽光と自然風が入る「解放鶏舎」で行われています。建物をカーテンで囲い、それを上下することによって鶏舎内の光や温度を調節する方法です。
めざしているのは、より自然の環境に近づけることでストレスフリーの飼育を実現すること。約29,000羽の飼育数は養鶏業者の中では小規模だそうですが、1羽1羽に目を配り、丁寧に飼育したいという思いが反映されています。

みんな大切に育てられているんですね
「それから、エサにもこだわっています。海藻やヨモギ、アミノ酸を多く含んだビール酵母や乳酸菌は、父が改良を重ねて辿り着いた成分です。それらの働きによって、まろやかな味わいの卵が生まれます」
しかも「ふみちゃん家のたまご」の魅力は、なんといっても甘みを持つ黄身。

濃いめの黄身が美味しそう
とりわけ、ゆで卵にすると一般的な卵との違いが明らかだそうです。
「黄身の甘さと、白身との味とのバランスも良いんです。何も付けなくてもおいしいのが自慢の卵です」
防腐剤・添加物不使用!シンプルな素材でつくったマヨネーズ
さて、その卵を使用し、「三ツ星タマリエ」の資格を持つ菅藤さんが開発した『ふみちゃん家のマヨネーズ』。どんなきっかけで開発することになったのでしょうか?

『ふみちゃん家のマヨネーズ』は瓶詰め
「ある時、知り合いの方から別の養鶏業者が商品化したマヨネーズをいただいたんです。卵のおいしさを伝えるために加工品を作りたいと考えていた時期でしたので、興味が湧きましたね。ただ、実際に食べてみると私好みの味ではなかったんです」
そもそも、日頃からマヨネーズを食べる習慣があまり多くなかったという菅藤さん。特に、市販のマヨネーズの強い酸味が、その苦手意識につながっていたそうです。
「ですが、黄身に甘みを感じる『ふみちゃん家のたまご』なら、納得できる商品が作れるかもとしれない思ったんです。私を含め、苦手な方に『おいしい』と言っていただけるものを作ってみたいなと、素直に感じましたね」
そこで、自ら求める味を表現してくれる加工業者を探し、マヨネーズの原料である油分に100%オリーブオイルを使用する会社に出会います。卵に、オリーブオイルの他、ブドウ酢、砂糖、食塩、からしのみを加え、必要最小限のシンプルな素材でつくるマヨネーズに魅力を感じたそうです。
「一番のポイントは、体にやさしいオリーブオイルを使用するところ。それから、保存料や添加物を一切加えず、安心して食べられることにも共感しました。なにより、試作品を食べてみたらとてもおいしくて、これはいける!と思いましたね」

嬉しいことがたくさん!
菅藤さん自身が「おいしい」と実感した『ふみちゃん家のマヨネーズ』は、控えめの塩味とほどよい酸味が特徴。その爽やかな味わいは、市販のものとはまるで別の印象を持つと言います。
「完成した『ふみちゃん家のマヨネーズ』の特別感を出すために、パッケージにもこだわりました。
デザイナーに依頼した鶏のイラストは、飼育している鶏たちのかわいらしさがうまく表現されていて、イメージ通りです」
マヨネーズの瓶には、そのこだわりを記した卵形のタグも添えられ、菅藤さんの並々ならぬ「卵愛」が伝わってきます。一目で、「かわいい!」と思わず手に取ってみたくなる商品です。

かわいい~♪

ほのかな甘み、やわらかな酸味。やさしい味わい「ふみちゃん家のマヨネーズ」
市販のマヨネーズはどうしても酸味や塩味が先立ち、何かをディップした際、マヨネーズの味ばかりが主張し過ぎてしまいがち。一方、『ふみちゃん家のマヨネーズ』の良さは、素材のおいしさそのものを引き立てることだと、菅藤さんは説明します。
それを感じるには、温野菜との組み合わせがおすすめだとか。今回は、旬のブロッコリーとジャガイモをディップしていただいてみます。

まずはシンプルイズベスト!
と、その前に、まずはテクスチャーをチェック!
蓋を開けスプーンですくうと、まるでホイップクリームのようにふわふわです。軽い食感をイメージして思わず口に含むと、ほのかな甘さとやわらかな酸味がじんわり広がります。こんなにやさしい味わいのマヨネーズは、確かに初めて。しかも、卵、オリーブオイル、ブドウ酢、砂糖、食塩、からしのみで作られているのに、しっかりとしたコクと、後味の良い旨みも感じます。
では、実際にブロッコリーをディップしていただきます。
ふわっとしたマヨネーズと、歯ごたえの良いブロッコリーの食感がなんとも絶妙なバランス。噛むほどに、ブロッコリーの甘みに、マヨネーズのほどよい甘みと塩味が絡み、野菜そのもののおいしさを後押しします。

つけすぎても全くウッとならず美味しく食べれます
次にジャガイモ。マヨネーズのやわらかな口当たりと爽やかな味わいのおかげで、重たくなりがちなジャガイモの食感が軽くなっていると感じます。もちろん、ジャガイモのおいしさも充分に味わえ、相性の良さは想像以上です。

これならどんどんいけちゃいます
さらに、どちらにも共通して感じるのが、マヨネーズの口溶けの良さ。ふわっとした口当たりを感じたかと思えば、コクと旨みを残してサッと消えてなくなります。
そしてなにより、良質な卵とシンプルな素材から作られた『ふみちゃん家のマヨネーズ』のおいしさには圧倒されます。市販のマヨネーズと一線を画した味わいは、言うまでもありません。
「マヨネーズが苦手な人に『おいしい』と感じてほしい」。
そう願って作られた『ふみちゃん家のマヨネーズ』は、菅藤さんの思いを実現した、まさに逸品。もちろん、マヨネーズ好きな方にも自信を持っておすすめできる商品です。
今後は『ふみちゃん家のマヨネーズ』に加え、「コッコ’s キッチン」シリーズとして、加工品のバリエーションを増やしていくのが目標だと話す菅藤さん。「安芸高田市にある2つの直販所に加えて新たな直販所も作って、卵のおいしさをもっと伝えていきたいですね」と、ますます夢が広がります。

卵の看板が目印です
現在『ふみちゃん家のマヨネーズ』は、通販サイト 楽天市場(ふるさと納税)、公式ホームページの他、下記の店舗で販売中です。ぜひ一度お試しください。
- 世羅町:道の駅 世羅、甲山いきいき村
- 安芸高田市:吉田町川本の直販所(国道54号線沿いの大和重工さん前に設置)、甲田町下小原(県道37号線沿い)の直販所