“本物”を知る女性レモン農家が作る!「レモンジャム」
最近、尾道のお土産店で気になる商品を見つけたんです。
それがAKEMILEMON(アケミレモン)さんの『レモンジャム』。
シンプルでおしゃれなパッケージデザインからは、安心・安全なものを使っていると感じさせてくれます。
実はこのジャムを作っている方が異色の経歴をお持ちの方ということを聞いて早速取材に行ってきました!
なんとこの方、東京銀座に本店があるTiffany&co.で店舗の立ち上げと運営と成長に16年間も携わってきた経歴を持つ“本物”を知る女性なんです。
私が20歳になった時、兄からお祝いにもらったのがティファニーのネックレスで個人的にも想い入れのあるジュエリーブランド。誰もが一度は聞いたことがあるブランドではないでしょうか。
お話を伺っているとレモンの一大産地 瀬戸田に、レモンに呼び寄せられたかのような運命を持つ、とっても素敵な女性で、レモンへの想いがたくさん詰まったレモンジャムを作られていましたよ!
なぜ有名ジュエリーブランドの社員からレモン農家に転身したのか、とても気になりますよね。
AKEMILEMONの齋藤明美(アケミ)さんのヒストリーも含めこだわりの『レモンジャム』についてご紹介いたします。
東日本大震災がきっかけに。子供の頃から好きだったレモンの道へ
AKEMILEMONの代表、アケミさんは東京で生まれ育ち、その便利さや環境、住みやすさが好きで就職も東京でされました。
20代の頃に宝石鑑定士の資格を取得、その後Tiffany&co.に就職されたそうです。
若いころから起業したいという想いがあったものの、あふれるティファニー愛と仕事の面白さに魅了され銀座本店を中心に長年勤務。そんな時に3.11東日本大震災が起こりました。
直接の被災地ではないにも関わらず、スーパーやコンビニから品物が消えたことで東京での生活に不安を感じたアケミさんは食や働き方への考え方が少しずつ変化し2013年にTiffany&co.を退職。
東京でおむすび屋を開業しながら食に対する知識と人脈を広げていきました。
その後、鎌倉に移住しオーガニックレストランを開業するもコロナによる休業に見舞われます。そんな時知り合いに誘われた「農」に関するセミナーに参加。ここで運命の出会いが訪れます。
これまで“料理して消費”する立場だったアケミさんですが、料理をするだけでなく、素材を作るところから自分で出来たら震災の時に感じた不安が解消されることに気づいたのです。そしてセミナー参加を重ねるごとに素材の大切さ、農業の豊かさや楽しさにも触れ「農」への興味関心が高まりました。
自分の想いに素直にまっすぐ突き進むアケミさんはオーガニックレストランの閉店を決意。
農業に携わる準備を開始します。
まず初めにどの農業に携わりたいか考えた時、子どもの頃から好きだったレモンに行きついたそうです。「レモンと言えば瀬戸内でしょ!知り合い紹介してあげる!」の一言からこの島に引き寄せられたかのように話が次々と決まっていき、2か月後には移住をしていたそうです。
震災にコロナにセミナーに移住にレモン。
バラバラの様ですべてのタイミングが伏線のように繋がっていて今に至っているので思い返してみると本当に不思議です。とおっしゃられていました。
素材と製造方法へのこだわり!レモンを丸ごと使った「レモンジャム」
AKEMILEMONさんは、ジャムのような甘味とレモンの香りが特徴的なイギリス生まれのおやつ「レモンカード」をメインで作られていました。
しかし「レモンカード」は皮の大部分を使いません。そのため廃棄するのが勿体なくて、しばらく冷凍して皮を保存していたそうです。
せっかくこだわって作られた瀬戸内の無農薬レモン、皮にこそ栄養がたっぷりあるのに、こんないい素材捨てるのはもったいない!
なにか良い活用方法はないかと考えた結果、辿り着いたのがレモンを丸ごと使った『レモンジャム』でした。
そうは言ってもマーマレードが苦手なアケミさんは皮を使うことに試行錯誤します。
皮の苦みやえぐみが出ない方法、子どもも食べやすく、それでいて丸かじりしたようなレモンの魅力をしっかりと表現できる味にするためにはどうしたらいいのか…。
砂糖を変え、製法を変え、辿り着いてできたのがAKEMILEMONさんの『レモンジャム』です。
オーガニックレストランを経営されてた頃から、“食を提供する=命を預かること”としてとらえ、きちんとした食材で体に優しいものを大切にされてきたアケミさん。ジャムは元々保存食という利点をとらえ、材料をレモンと砂糖のみにしぼります。
レモンはもちろん瀬戸内で育った農薬・化学肥料を一切使っていない無農薬の物に限定、砂糖はオーガニックアイランドともいわれる鹿児島県の喜界島で作られたキビ糖を使用されています。
たった2つの材料だからこそ素材にはとことんこだわりました。
そしてAKEMILEMONさんの『レモンジャム』のこだわりは製造方法にも。
レモンは柑橘の中でも酸味と皮の苦みが強い種類です。その味が良しとされる方ももちろんいらっしゃいますが、万人受けする味ではありません。
そのため皮の処理に一日、ジャムの煮込みに一日、計二日間かけてしっかりと皮の苦みやえぐみを取り除かれています。
まずレモン果汁を搾り、内皮と外皮に分けてからペクチンの抽出と皮の茹でこぼしの処理を行います。
弱火でじっくりコトコトと煮てゆでこぼし苦みやえぐみを取るなど、数多くある下処理の工程をすべて手作業でされているそうです。
そうして丁寧に苦みを取り除かれた皮とキビ糖を混ぜ、しっかりと煮詰めて糖度をあげてできるのがレモンを丸ごと使った『レモンジャム』なのです。
すべての作業を手作業で行っているため1度に作れるのはたったの12個ほど!
それでも厳選された2つの食材とこだわりの製法を守ることで美味しいジャムができるんですね。
やさしい苦みが美味しい!“レモンを丸かじりする感覚のジャム”
“レモンを丸かじりする感覚のジャム”がAKEMILEMONさんのコンセプト。
はじめこれを見た時、どれだけ酸っぱいレモンジャムなんだろう。酸っぱすぎて食べられないとかもしかしたらあるのかも!?と正直思っていました。
でもね、そうじゃなかったんですよ!
実食しながら、どう“丸かじり”なのかお伝えしますね。
さっそく瓶のフタを開けてみると、ほんのりレモンとキビ糖の甘い香りがしますが酸っぱい香りではありません。
スプーンですくうとジャムにしては硬めで羊羹のような弾力です。撹拌(かくはん)されているためマーマレードのように皮の存在が目立つといった感じでもありません。
まずは何にもつけずにそのままいただきます。
口の中で崩した瞬間に口いっぱいレモンの香りが広がります!
ものすごくレモンの味!でも酸っぱさはほとんどありません。全然酸っぱくないのにちゃんとレモンなんです!
キビ糖を多く使用しているとのことなのですが、キビ糖の甘さは控えめで、レモンが持つ味とレモンの甘みを前面に押し出してくれています。何種類もの砂糖を試してキビ糖にたどり着いたというのが頷けます。
ジャムとしてちゃんと甘いのですが、レモンの爽やかな香りとキビ糖のコクで甘ったるさは一切ありません。
そしてレモンらしい香りと甘みの後にホワホワっと現れるのが皮の優しい苦み!
これもまたニクイ演出ですね~!
撹拌されて細かくなった皮がプチプチと口の中で存在感を出してくるのですが、若干の皮らしい苦みを残しながらもえぐみや食べづらさは一切なく、優しい苦みがより一層美味しさを感じさせてくれるんです。
まさに計算しつくされた味!!丸かじりってこういうことか~~!!これは美味しい!!!
甘すぎず、それでいて爽やかなのでジャムだけでパクパクと食べられてしまう味ですね。
このAKEMILEMONさんの『レモンジャム』、砂糖とレモンだけなのでパンやスイーツにはもちろん、肉料理・魚料理にもとてもマッチするそうです。
さらに紅茶にも入れて飲んでみたのですが、スプーン一杯で手軽に美味しいレモンティーに大変身でしたよ♪
現在、『レモンジャム』は通販サイト 楽天市場(ふるさと納税)、公式ホームページの他、以下で購入することができます。
- 広島県:ONOMICHI U2、ベラビスタ スパ&マリーナ 尾道、尾道駅構内カンキツスタンドオレンジ、尾道みやげ、広島空港 JAL BLUE SKY。
- 関東:ひろしまブランドショップ TAU、有楽町micro FOOD&IDEA market、わくわく広場
“本物”を知り“素材”にこだわるアケミさんだからこそ作ることができた、レモンを丸ごと使った『レモンジャム』。ぜひ皆さんも味わってみてくださいね!