糖度9度以上を誇る絶品ミニトマト「トマピカル」
「トマトは野菜か果物か?」
甘く熟れたトマトを食べる度に頭をよぎる疑問ですよね。日本の農産物としては野菜として定義されていますが、植物学的には果実、つまりフルーツに分類されています。
ちなみに、19世紀のアメリカでは輸入関税をめぐり、この「野菜か果物か」という論争が裁判にまで至った事例もあるとか。判決では「野菜」に軍配があがり、「トマトは野菜畑で育てられていて、食事には出されるものの、デザートにはならないから野菜である」ということが根拠として示されたそうです。ですが、トマトを使ったゼリーやケーキなども登場する昨今、もはやこの根拠は当てはまらないかもしれません。
さて、今回ご紹介するのは、「トマトはやはり果物?!」というイメージを強くするほど甘いミニトマト『トマピカル』です。
訪れたのは、岡山県笠岡市の広大な農業用干拓地を拠点にスマート農業(ロボットやAIなど先端技術を活用した農業)でハウストマトを栽培する株式会社ジェイ・イー・ティ・アグリ。
岡⼭県浅⼝郡⾥庄に本社を構える株式会社ジェイ・イー・ティが立ち上げた農業事業です。
一般的なトマトの糖度が5度前後、フルーツトマトとして売られているものでも7度から10度程度の中、1年を通して収穫される『トマピカル』は9度から13度の糖度を誇り、笠岡のみならず岡山を代表する絶品ミニトマトとして人気を博しています。
株式会社ジェイ・イー・ティ・アグリの伊藤 聡(いとう さとし)代表取締役社長に、『トマピカル』についてお話をお聞きしました。
地域への貢献、半導体洗浄機メーカーが始めたスマート農業
そもそも、株式会社ジェイ・イー・ティ(以下、JET)は、半導体の洗浄機械を開発販売するメーカー。農業とは全く異なる事業を展開してきた会社が、ミニトマト栽培を始めたのには、いくつかの理由があったようです。
「一番の理由は、半導体需要の不安定さにあります。需要と供給のバランスの急変動が起こりやすい半導体は、洗浄機メーカーである当社の事業にも大きく影響するんです。一方、通年で収穫できるハウス栽培のトマトは、食品としての購入率も安定している。それが農業事業をスタートしたきっかけです。
他にも、ここ数年で加速している農業従事者の後継者不足を解決したいという願いや、スマート農業を実践することで、地域のサスティナビリティ(※)にも貢献できればという思いもありました」
(※)長期的な視野でとらえ、持続可能な状態に導くこと
そこで採用したのが、株式会社OSMICがフランチャイズ展開していた「OSMICトマト」の栽培。
このOSMICトマト、イタリア料理の巨匠・落合務シェフも絶賛する高糖度トマトとしても有名で、しかも、一般社団法人日本野菜ソムリエ協会が主催する野菜ソムリエサミット「トマトグランプリ」で総合優勝に輝いています。
「農業事業部では2019年よりトマト栽培をスタートし、翌年11月に出荷を開始しました。半導体洗浄機メーカーということもあり、栽培設備の仕組みづくりや管理など、本来の事業技術を活かすこともできましたね」と伊藤さん。
このミニトマトは、先ほども触れたようにハウスを利用したスマート農業によって栽培されており、特徴としては次のようなものが挙げられるようです。
- 「オスミックソイル」と呼ばれる、米ぬか、蟹殻、牡蠣殻などを原料とした自然由来の有機物から作られた土を利用すること。約半年間発酵させることで微生物が増加し、美味しさを生み出す栄養素が豊富になります。
- 気化熱を利用し、徹底した温度管理が施されたハウスで栽培すること。日中は25℃度、夜間は10℃に気温を保ち、その温度差で甘みを生成することができます。
- 水を与えること。一般的なトマト栽培では、水を与えず負荷を増し糖度を高める方法が取られますが、良質な土と温度管理によって糖度が保証されるため、ここでは水を与える栽培が行われています。通年での収穫を実現するためにも、充分な水は不可欠です。
- ミツバチ科のマルハナバチによる受粉。自然界に近い環境を作ることで、糖度や旨みが増すと言われています。
一度食べたら忘れられない!最高な環境で育つ『トマピカル』
「これぞ奇跡!」と称される糖度を誇るトマトですが、栽培開始以来、ご苦労も多かったそうです。
「徹底した温度管理のもとで栽培していますが、ここ数年の猛暑の影響で、夏場の気温コントロールは難しくなるばかりです。屋根に設置しているカーテンを開閉することで外気温の影響をできる限り押さえてはいますが、さらなる対策として、屋根に遮熱効果のある塗料を塗る計画です」
他にも、病気にかからないよう、常日頃から成長の様子をつぶさに観察することも欠かせないとのこと。「土地に則した育て方を見極める必要もある」と話す伊藤さん。常に検証と改善を繰り返しながら、この環境ならではのベストな栽培方法を追求してきたと言います。
「その結果、晴れの国、岡山を代表するミニトマトとして自信を持ってお届けできる『トマピカル』が完成しました。JETアグリのオリジナルブランドとして皆さんに味わっていただきたいですね」
「一度食べたら忘れられない」がキャッチフレーズの『トマピカル』。
宝石のように、キラキラと輝く「光り」で人を魅了する美しいさまがネーミングの由来です。その最大の特徴は、言うまでもなく糖度の高さ。9度から13度の甘さは一般的なトマトを圧倒します。
「収穫は完熟してからなんです。土や水、温度など、トマトにとって最高の環境を整えていますので、枝に実ったまま熟すのが最適ですからね。それから、ヘタは収穫の際にひとつひとつ手作業で除去しています。トマトはヘタの部分から痛み始めることが多いので、手間はかかりますが、大切な作業です。そのおかげで、冷蔵庫で保管していただければ、1週間は美味しく召し上がっていただけます」
収穫されたトマトは一粒一粒、糖度を測定できる選果機を通し、糖度ごとに選別。それぞれの糖度でパック詰めされ、消費者が好みの甘さを選び購入できるのも、『トマピカル』の特徴です。
「多少の酸味を求める方は、糖度9度程度のトマトを好まれます。とはいえ、女性やお子さんを中心に、それ以上の糖度を選ばれる方が多いですね。試食販売では、皆さん、口に入れた瞬間に目を大きく見開き、『なにコレ!』と驚かれます」
笠岡市の学校給食でも食べられているとのことで、トマト嫌いの小中学生でもこれなら食べられると、食育にも貢献。さらに、そのおいしさの評判は広がり、全国的にも有名なリゾートホテルなどでも採用されているそうです。
ミニトマトの概念が覆る!マスカットのような甘さのフルーツ!?
さて、ここまでの紹介で、読者の皆さんの期待度も上がっているはず。
早速、一粒口にしてみます。
まず驚くのは、皮の薄さ。歯が触れただけで、ジュワッと果肉と果汁が溢れ出します。
「これは甘い!」
あまりの糖度の高さに、思わず言葉を失ってしまうほど。近頃、フルーツトマトを何度食べても期待を裏切られ続けていた私ですが、これは本物。甘さの次元がまったくの桁違いで、これまでのミニトマトの概念が覆ります。
マスカットのような濃縮された甘みもありながら、サラッとした味わい。青臭さもまったく感じず、しかも、トマトならではの旨みが後から追いかけてきます。『トマピカル』は間違いなくフルーツ。そう断言できます。
「食べ始めたら止まらない」という方も多いそうですが、その意見にも納得。シャインマスカットを食べ始めると思わず1房食べてしまうのと同様、この『トマピカル』も、1パックあっという間に完食してしまいました。
これなら小さなお子さんやトマトが苦手な方も食べていただけると思います。
もちろんそのまま食べるのもおすすめなのですが、こんなに甘いトマトなら、ヨーグルトとの組み合わせも美味しいかも。ということで、毎日健康のために食べている無糖ヨーグルトに『トマピカル』を食べやすい大きさにカットして、一緒に食べてみました。
一口食べた印象は、「えっ、これってフルーツヨーグルト?」
無糖ヨーグルト特有の酸味が強くシンプルな味と『トマピカル』の持つ自然な甘みが相性ばっちり!
口の中いっぱいに爽やかな甘さが広がりとても美味しいです。
トマトには美肌効果が期待できるリコピンや、コラーゲンの生成を助けるとされるビタミンC、食物繊維やカリウムなどの栄養素が含まれています。またヨーグルトには、乳酸菌やビフィズス菌などが豊富に含まれていて、腸内環境を整える作用があります。
無糖ヨーグルトと『トマピカル』の組み合わせは女性にはうれしいことばかり!
カロリーが気になる人にもぜひ試していただきたいです。
最後に今後の抱負をお聞きしました。
「まずは一年一年、収穫量を増やしていくことですね。糖度抜群の『トマピカル』をより多くの皆さんにお届けするのが今の願い。日本にとどまらず、海外の方にも、ここ笠岡で育った絶品ミニトマトとして認知していただける日がくれば最高ですね」
現在、株式会社ジェイ・イー・ティ・アグリが育てるOSMICトマト『トマピカル』は、通販サイト 楽天市場(ふるさと納税)、ホームページ、道の駅 笠岡ベイファームで購入が可能です。
購入場所は今後随時拡大していく予定です。